2010年01月03日

02.政治・経済

しんぽう選挙予想2010、参院選、知事選、和歌山市長選【新年号1部6面】


今夏から注目の3選挙 現職に対抗するのは誰?
参院選、和歌山市長選、知事選

民主党を中心とする連立政権誕生後、初の国政選挙となる参院選が今夏に行われるのに続き、県都・和歌山市では市長選、また年末には知事選も行われる。3選挙とも現職が立候補の見通しで、民主党が対抗馬の擁立を進めている。国、県、市の行く末を大きく左右する3選挙を展望する。(12月23日現在)

●参院選
3選へ鶴保氏正念場議席奪取へ民主は人選カギ

参院選は3選を目指す自民現職の鶴保庸介氏 (42) に、 共産党は昨年12月に新人の吉田雅哉氏 (34) の擁立を発表。 一方、 民主党は候補予定者を数人にしぼり込み最終的な人選作業に入っている。

鶴保氏は小沢一郎・現民主党幹事長の秘書を経て平成10年に自由党から参院選に立候補し当時最年少の31歳で初当選。 保守党、 保守新党を経て平成15年に自民党に入党した。 現在、 参院予算委員会理事、 自民党政務調査会副会長など務める。 東大法学部卒。 大阪市出身。

平成16年の参院選では、 民主が擁立した女性の川条志嘉氏を破り再選しているものの、 今回は与野党の立場が逆転、 鶴保氏にとっても大きな正念場だ。 昨年から週末は地元に戻り各地でミニ集会を重ねるなど既に臨戦態勢に入っている。 保守票の多い紀南地区をしっかりと固め、 紀北の無党派層をどれだけ取り込めるかが勝利へのカギとなりそう。

一方、 民主党は12月23日現在、 候補予定者はまだ決まっていない。 昨年末までの動きでは有力候補として現職県議、 地元出身の女性NPO関係者ら数人の名が挙がっている模様。

前回の参院選では公募に応じた川条志嘉氏を擁立。 破れはしたものの、 都市部での無党派層や女性票を取り込み、 予想を上回る善戦ぶりだった。 昨年の衆院選の民主への風が、 今回も吹き荒れるかは微妙な状況だが、 議席奪取へ人選が大きなカギとなりそう。

吉田氏は党県常任委員兼国政対策委員長。 近畿の党公認予定候補の中では最年少で、 また地方選挙を含めて立候補は初挑戦となるが、 若さを前面に党勢拡大を図る。 高野山大学卒。 京都市出身で現在、 岩出市在住。

吉田氏は 「雇用対策や子育て支援、 核廃絶・平和運動など人間が大切にされる政治をしっかりしていきたい」 と抱負。 竹内良平県委員長は 「日本の政治をさらに前に進めるため建設的野党として奮闘し、 比例代表での5議席確保と和歌山選挙区での勝利を目指し全力で戦う」 としている。

●和歌山市長選
大橋市長3選目指し出馬 対抗馬に女性候補の動きも

任期満了 (8月24日) に伴う和歌山市長選挙は12月23日現在、 現職の大橋建一市長ただ一人が出馬表明している。 対抗馬は今のところ現れておらず、 「あの人が立候補を予定しているらしい」 とうわさばかりが先行しているのが現状だ。

現職の大橋市長は現在2期目。 元新聞記者 (毎日新聞社) という経歴の持ち主。 出馬表明の会見では 「(特別会計の累積赤字解消に向けた健全化策など) この難局を乗り切れる舵取り役は私以外にはいないと思い、 今後も市政を担当させてもらいたい」 と意気込み十分だ。

対抗馬はうわさだけで、 誰も正式な出馬表明はしていない。 そんな中、 シンクタンクの女性職員が出馬に意欲を示しているだとか、 昨年末ごろにはある市議が所属する政党にいったん離党届を提出するなど (後日撤回)、 市長選を意識した動きを見せたこともあった。

4年前の前回は6人の立候補者が乱立したものの 「争点なき戦い」 ともいわれ、 投票率は44・42%と低迷し、 市民の関心が低かった。 今回はどうやって市民の注目を集めるのか、 注視したいところだ。

今回の市長選では、 「財政問題」 と 「中心市街地の活性化」 が争点か。 財政は、 19年度に連結実質赤字比率が17・60%で早期健全化基準 (16・25%) を超え、 財政再生団体の一歩手前を示す 「イエローカード」 だったが、 20年度は黒字を計上し、 注意信号から脱却。

しかし、 下水道事業109億円、 土地造成事業54億円、 国保事業44億円など特別会計全体で約220億円の累積赤字があり、 土地造成事業 (つつじヶ丘) では毎年約20億円の市債償還がのしかかってくるため累積赤字が増える。 市民への負担が増加する中、 候補者がどのような健全化策を打ち出すのか。

中心市街地の活性化は、 ことし基本計画が策定され4年目に入る。 美園町の再開発も本格的に始まるなど、 着々と各事業は動いている。 また、 中心市街地の骨格道路 「城まちハッピーロード」 で一日の人出が9762人 (19年度) から1万1226人 (21年度) に増加。 これは今年度からけやき大通りで実施した 「手づくりマーケット」 の人出が影響したとみられている。

しかしながら活性化の目玉となる肝心のぶらくり丁の人出は、 2万2075人 (18年度) から1万9613人 (21年度) と減少しており、 これといった効果が実感できないのが現状。 市勢拡大へそろそろ目立った成果がほしいという声も上がっている。

●知事選
民主は対抗馬支援か現職・仁坂氏も着実な布石

知事選はことし11月か12月の予定で、 今のところ表だった動きはない。しかし、 現職の仁坂吉伸知事 (59) は出馬表明はしていないものの、 昨年から講演会や放談会などを各地で開催するなど二期目に向けた布石を着実に打っている。


談合事件で逮捕された前知事辞職に伴う平成18年の知事選では、 自民、 公明の推薦を受け共産党推薦の候補を大差で破った。 桐蔭高、 東大経済学部卒後、 経済産業省入省、 元ブルネイ大使。

知事就任後は職員を叱咤激励し不祥事の一掃を図り県民からの信頼を回復させる一方、 厳しい財政事情の中、 知恵を出し合い景気対策などに重点的に取り組んでいる。 官僚出身ながら「地方から国へ、はっきりとモノ言う」 知事だが、 道路問題など県勢浮上へ大きな課題も立ちはだかる。 難局をどう乗り越えるかこの1年が正念場。

民主党は前回、 現衆院議員の岸本周平氏ら独自候補の擁立を模索したが、結局断念。しかし、 今回は相乗りはしないという党の方針もあり対抗馬支援の動きを見せている。 その一人として大手民間企業を経て地方行政にも通じている和歌山市出身者 (53) の名も挙がっている。 もし、 出馬を決意すれば知事選は予断を許さない激戦模様となることは必至だ。


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