2010年01月20日

00.社会/03.スポーツ

ニギテック社のソリ、3度目の五輪へ

オリジナルのソリをメンテナンスするニギテック仁儀社長 - ニギテック社のソリ、3度目の五輪へ

オリジナルのソリをメンテナンスするニギテック仁儀社長

バンクーバー五輪(2月12~28日)スケルトン日本代表の越和宏選手(45)=システックス=と、和歌山市和歌町の(有)ニギテックがことしもタッグを組んで金メダルを目指す。約10年前からソリ製作を始めた同社は、これまで越選手のソリを3台製作。4台目はバンクーバー用として、素材にこだわって改良した時速140キロ以上は出るスピード型。設計した仁儀寿社長(49)は「10年間、試行錯誤してきた。今回のは完成度が高い。出場するからには、越に金メダルを取ってほしい」と期待を込めている。


仁儀社長は日本で唯一、分解と組み立てができるスケルトン用のソリを製作する職人。普段は店舗の金物や建築手すりや看板関係など、金属加工を幅広く手がける。平成10年に市内在住の女性選手からソリを頼まれて作ったことがきっかけで、平成12年に越選手が仁儀社長のもとを訪れ、2人で世界を舞台にした挑戦が始まった。

ニギテック製ソリの特徴は、100以上のパーツに分解できること。海外産の溶接固定されたものと比べると、メンテナンスに手間がかかる分、コースや天候のコンディションによって微調整がしやすい。少しの調整でもスピードが変わってくるため、越選手用に製作してきた4台は、実際は100台分にもなるという。ソリは主に縦横のフレーム、バンパー、サドル、握りバー、コーナーブロック、足置き場、滑走部のランナーなどで構成する。バンクーバーは最速時速150キロが出るコースのため、4台目は縦のフレームにより丈夫な新素材を適用した。

これまで越選手の戦績は平成14年のソルトレークで8位、18年のトリノで11位。仁儀社長は「ことしは越にとっても最後の挑戦。世界相手に自分のソリが通用するか楽しみでもある。10年間を振り返ってみて、方向性は間違ってなかったと思う」と話している。

これまで越選手の活躍で国内外からの反応も多くあり、バンクーバー後は、これまでのノウハウを生かして販売も視野に入れ、年10台の生産を目指す。

スケルトン競技は、鉄製のソリに腹ばいになって、氷のレーンを時速120キロ以上で駆けるスポーツ。平成14年のソルトレーク五輪から冬季正式種目として半世紀ぶりに復活した。





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