2010年02月17日

00.社会

昨年中の講習予備検査、記憶・判断力低下105人

県警本部運転免許課によると、 平成21年6月から75歳以上の高齢者が免許更新時に必要となった講習予備検査の受検者が、 昨年12月末までに4573人となり、 そのうち105人が記憶力・判断力が低くなっていると判定されたという。 県内の75歳以上の免許返納者が昨年中は前年より倍増するなど、 運転能力の低下を自覚する高齢者ドライバーも増えているようだ。

講習予備検査は、 現在の日付や時計の絵を描くなど、 判断力や記憶力の状態を判断する。 その結果で、 記憶力・判断力に心配のない人は第3分類、 記憶力・判断力が少し低くなっている人は第2分類、 記憶力・判断能力が低くなっている人は第1分類とされ、 高齢者講習の実車指導の方法が変わる。 県内の昨年末までの受検者は、 第3分類が3014人、 第2分類が1454人、 第1分類が105人だった。

県内の県公安委員会指定の自動車学校16校で同検査を実施。 和歌山市園部の県自動車学校 (大元一夫校長) では、 9月から同検査をスタートした。 同検査が30分、 高齢者講習として、 高齢者事故実態などを学ぶ座学が30分、 夜間視力や動体視力などの検査が1時間、 実車指導が1時間となっている。 実車指導では、 信号機や一時停止標識のある交差点、 カーブなどを含んだコースを走り、 指導員は分類に応じた指導を行う。 同学校の指導員によると、 高齢者の運転は、 左折時の大回りや速度の出し過ぎなどの傾向が見られ、 「なかには、 標識を見落としたり、 指示器を曲がる直前に出す人もいる」 という。

講習予備検査・高齢者講習を受けた男性 (88) は、 週に3回ほど近所のスーパーに車で出かけるといい、 「周りの友人は免許を返している人も多いけど、 車は便利なので。 小さい車を選んでいるし、 短い距離を慎重に走っています。 遠ければタクシーを使い、 夜間は出かけないようにしています」。

第1分類に判定され、 更新申請の前日から1年前までに、 信号無視や通行禁止違反など特定違反をしている場合は、 専門医や主治医の臨時適正検査を受け、 認知症と判断されれば免許取り消しとなるが、 県内ではまだ取り消しのケースはないという。





この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio


00.社会 - 同カテゴリの記事






カテゴリー
社会
事件・事故
政治・経済
スポーツ
文化・くらし
紀の川・岩出・海南・紀美野

これまでの特集
月別アーカイブ
株式会社 和歌山新報社
cypress.gif