2010年06月03日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

風力発電の影響考える 海南の大窯、加茂二区で勉強会

勉強会 「人権と風力発電を考える講演会」

熱心に説明を聞く住民たち

風力発電の低周波によるとみられる健康被害対策に取り組む海南市の大窪区・加茂二地区人権尊重推進委員会(宮本芳比古会長)は31日、 大窪集会場で勉強会 「人権と風力発電を考える講演会」 を開いた。 元日赤内科部長の汐見文隆さんを講師に、 地区住民ら55人が低周波の人体に与える影響について学んだ。

同市、 有田川町、 有田市の3市町にまたがる地区では、 風力発電の設備10基が昨年10月に設置され営業開始しているが、 ことし2月ごろから 「体がしんどくなる」 などの健康被害を訴える住民が出ている。 ある住民は耳元で 「ツーン、 ツーン」 という深い音が鳴り眠れないので、 自宅を離れ親族の家などを転々としているという。

このため同区は風力発電の設置会社に対し、 直近風車の停止や、 低周波対策として被害者住居のリフォームを要望。 県にも低周波被害調査と被害者救済対策を求めてきた。

勉強会で汐見さんは低周波の人体への影響やメカニズム、 症状などについて説明。 さらに県が民家内で測定した低周波数値について、 発電機を全機稼働した場合と全機停止した場合では明らかな差があるとし、 「この差が人工的な音源によることは明らか。 今後も被害を訴える人が出てくることも考えられる」 と指摘した。 数値は環境省が定める基準値を下回っていたが、 「現に健康被害が出ている」 として住民側は 「せめて1カ月は停止して本当に影響があるのかなど因果関係を調査してほしい」。 県環境管理課は 「測定は1回では分からない。 住民の協力を得ながら継続して測定し、 調査していきたい」 と話している。





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