2010年06月08日

00.社会

ゴールデンキッズ1期生、3人娘はボートに夢を乗せて

左から北野さん、古田さん、木下さん - ゴールデンキッズ1期生、3人娘はボートに夢を乗せて

左から北野さん、古田さん、木下さん

優れた運動能力を持つ小学生を発掘し、世界で活躍できる選手を育成する県のプロジェクト「ゴールデンキッズ」1期生の芽が着々と成長している。約20倍の倍率を勝ち抜いた45人は、ことし3月に3年間の体力育成プログラムを修了。今春から中学生になり、野球やフェンシング、バスケットなど一つの種目に絞る子から三種目に取り組む子まで、全員が自身の可能性に挑戦している。


県教委スポーツ課によると、ゴールデンキッズ1期生の中ではボートやカヌーを始めた子もおり、中学生でこれらの競技を始めるのは県内で初めてという。1期生の向陽中1年、北野七彩さん(13)、和歌山大学付属中1年の古田真衣さん(12)、同木下弥桜さん(同)の3人はボートを本格的に始め、5月30日の第65回国体近畿ブロック大会県選考会第43回八魂レガッタに中学生で初めて出場。監督の県ボート協会副理事長の堅田哲也さん(53)も「たった2カ月で目覚ましい成長。国体はもちろん、世界を目指したい」と話している。

3人は小学生のころから柔道や水泳、空手などに親しむスポーツ少女で、プログラム期間中にボートを体験し、全身の力を使って水面をこぐ感覚に魅せられた。同協会によると、和歌山でボートはまだまだマイナーな競技で、県内でボート部がある高校は和歌山北と田辺の2校のみ。しかしながら、国体や世界選手権に出場するような優秀な選手を輩出するなどレベルは高いという。

堅田さんがコーチを務め、練習は週に3回。室内でマシンを使って体力を鍛えたり、週に1回は紀の川の練習場で実際にボートをこいでいる。練習では堅田さんから「(呼吸を)合わせ!肩の力抜いてゆっくり!」とげきが飛び、3人はオールを胸に強く引きつけ、力いっぱい水面をかく。「高校生でも、普通はこげるようになるまで半年くらいはかかる。この子たちは身体能力が高く、センスが良いのか飲み込みが早い」と堅田さんも目を見張る。

めきめきと上達する3人に八魂レガッタを経験させようと、ボート経験者の大学生とペアを組んで参加する「混成」部門を設定し、参加させた。ペアを組んだ3人はレース形式でゴールまでの1000メートルをこぎきった。1位だった木下さんは「後ろにすーっと進むのが気持ちいい。大会は緊張したけど、いつも通りできた」、2位の北野さんは「水の上を滑ってるみたいで楽しい。大会は周りが見えないくらい必死だった」、3位だった古田さんは「こぐ時の風や水の音が落ち着く。大会はいつもより距離が短く感じた」と振り返る。3人の夢を乗せたオールは、世界という大海原に進みだしたばかり。

同課は、ゴールデンキッズの子どもたちが中学3年生になるまで、競技変更の相談や情報提供などフォローしていくという。





この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio


00.社会 - 同カテゴリの記事






カテゴリー
社会
事件・事故
政治・経済
スポーツ
文化・くらし
紀の川・岩出・海南・紀美野

これまでの特集
月別アーカイブ
株式会社 和歌山新報社
cypress.gif