2010年08月12日

02.政治・経済

クエの漁獲量増大へ、水産試験場が県産稚魚の生産に成功

高級魚クエの漁獲量増大

水産試験場で生産された稚魚(県水産振興課提供)

県水産試験場 (串本町) は11日、 県産クエの卵と精子を使って4万匹の稚魚生産に成功したと発表した。 同試験場では高級魚クエの漁獲量増大に向け、 他県産の受精卵を使って稚魚生産技術の確立を図ってきたが、 今後は県産クエを使って安定した稚魚生産が可能になる。 県産クエから生まれた稚魚は県の海域環境に適応しやすいと考えられ、 放流後の生き残りにも期待が持てるという。

県水産振興課によると、 県産天然クエの年間漁獲量は3~4トン。 県の特産品として日高郡や白浜町内の旅館などでよく利用され、 需要は30~40トンと約10倍にもなり、 県産の天然物では到底まかないきれない数だ。 同試験場では平成19年からクエの生産安定化技術の開発に取り組み、 20年に長崎県産の受精卵で3万匹以上の稚魚生産に成功。 21年も2年連続で成功し、 生産技術の確立を証明した。 来年からは試験場のそばに新設する施設に移管して稚魚生産を行う。

今回生産に成功した県産稚魚は現在体長4~5センチにまで成長。 11日以降、 比井崎漁協、 由良町など5団体に合わせて9500匹を配布し、 各団体で10センチ程度まで中間育成した後、 10月末ごろに放流する。 残りの稚魚は同試験場の増養殖試験に利用する。

クエは十年以上も生きる魚で、 食用となる2~3キロに成長するまで5年ほどかかるといい、 同試験場増養殖部の芳養晴雄部長は 「今回の成功で毎年の放流にめどがつくのでは。 時間はかかるが、 長い目で見てほしい」 と話している。





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