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設置早々に池の水をくむ農家の女性 |
雨が降らない。秋の果実収穫最盛期を前に紀の川市はこのほど、9月に入ってからでは異例の「農作物干ばつ対策本部」(本部長・堂本正秀副市長)を設置し、干ばつ対策に乗り出した。スプリンクラーなど干害設備がない中山間地を中心に、市内のため池(25カ所)から水をくみ上げるポンプ設備を設置。農家に無料で水を使用してもらうことで、農作物の干ばつ被害を最小限に食い止める。対策費は約250万円を見込んでいる。
干ばつ対策は、5年前からことしを含め計4回行われているが、そのほとんどが初夏の時期。秋に入ってからの対策は稀(まれ)という。特に被害が心配されているのがミカンで、夏の雨量が足りないことから例年よりも小ぶりで、販売価格にも影響しそうだ。
気象庁の葛城山アメダス統計によると、ことし6月の降水量は平年並み、7月は平年の倍以上の雨量だった。しかし、8月は平年が111ミリに対し、ことしは85ミリしか観測されていない。同市粉河のカキモモ研究所の調べでも同月は55ミリの観測と深刻だ。
同市粉河の新池でも、ポンプ設備が設置され、設置早々からミカン農家の女性が「大型のポンプだと、作業も早いし助かる」と池の水を軽トラに乗せたタンクにくみとっていた。
市の農林商工部事務局は「果物王国と呼ばれる紀の川市です。異例の事態ですが、何とか手だてをとりました。今後の状況を注視していきたい」と話している。
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