2010年12月01日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

打田中保護者が自校給食方式継続を要望

打田中学校の自校給食を守る会

校舎の建て替えでなくなる計画の給食室

これまで通りの給食を残してほしい。 老朽化に伴い今年度中に校舎の建て替え工事に入る紀の川市東大井の市立打田中学校 (山田庄司校長、 生徒400人) で、 給食を校内で調理する 「自校給食方式」 の継続を求め、 保護者らが 「打田中学校の自校給食を守る会」 (戎嶋恵子会長) を設立するなどの動きが出ている。 同会では 「給食センターで大量調理するより、 校内で調理する方が子どもたちに安全でおいしい給食を提供できる」 と訴えている。

同市の中学校はこれまで、 合併前の旧5町から引き継いだそれぞれの給食方式で運営してきた。 打田、 桃山、 貴志川地区は自校方式、 粉河、 那賀地区はセンター方式をとっている。

財政の面では、 大規模に調理できるセンター方式はコストダウンが図れる。 また、 他市の事例では民間委託の方がさらに安価で運営できる傾向にあるという。 しかし同会ではセンター方式のデメリットとして、 大量調理になるため冷凍加工食品が多くなる▽給食の運搬などで教諭の負担が増える▽配送・回収時間が必要なため十分な食事時間がとれず、 できたての給食が提供できないなどを挙げ、 自校方式の方が 「子どもの顔を思い浮かべながら調理できる」 「児童も調理員も時間に余裕が持てる」 などとしている。

保護者 「自校給食継続を」 同問題が浮上したのは昨年、 PTA役員が市から校舎新築図面の説明を受けたのがきっかけ。 その図面には調理室がなく、 PTAらは 「打田地区もセンター方式にする計画があるのでは」 と疑問を持った。 その後、 計画の説明を求めたり、 署名 (約5000人分) を集め市教委に提出するなどの働き掛けを行っている。

先月21日には打田生涯学習センターで 「給食を考えるシンポジウム」 を開き、 保護者や元卒業生ら7人のパネリストが自校方式の利点について討論。 「地産地消ができる」 「調理員さんの顔が見える」 「においや調理風景は生きた教材」 などの意見が出された。

市教委 「答申受け総合的に判断」 市教委はこの問題を受けて学識経験者、 学校関係者、 保護者の各3人計9人でつくる 「市の望ましい給食のあり方検討委員会」 を設立。 第1回会合をことし10月中旬に開いた。 市教委学校教育課によると、 これまで同委員会を4回開催しており、 今後、 答申を受けて年内にも市の方針を決定するという。

同課では 「自校方式は最善だが、 合併した紀の川市で可能なのかを検討委員会で議論してもらい、 答申に従って方針を固めていく」 と話している。





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