2010年12月21日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

反貧困活動家の湯浅さんが講演

「社会の改革が必要」と訴える湯浅さん - 反貧困活動家の湯浅さんが講演

「社会の改革が必要」と訴える湯浅さん

「年越し派遣村」の村長を務めたことなどで知られる反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さん(41)が19日、かつらぎ町のかつらぎ総合文化会館で「反貧困~全員参加型社会へ~」のテーマで話し、「貧困や自殺者がない福祉制度の構築を」と訴えた。県高等学校教職員組合第1支部(古田光明支部長)主催の「教育文化のつどい」で那賀地区の教諭や一般約200人が集まり、内閣府参与など国の第一線で活躍する湯浅さんが見た社会の現状に聞き入った。


非正規雇用の問題について湯浅さんは「今の若い人には5割の正規雇用の枠しかない。『個人の資質』だけの問題ではなくなっている」と危機感を示した。また、若年層の未婚問題にも言及。国勢調査で30~34歳の独身男性が1990年の32%から5年ごとに5%ずつ増加しており、「ことしの調査では5割を超える可能性が高い」とし「しかし、未婚男女の9割は結婚することを希望している。中流層の崩壊などで経済力がない人が増えている」とした。

今後必要な社会制度としては「貧困者と裕福者の流動性が断絶された状態が続いている。断絶を和らげるために非正規でも雇用保険に入れたり、充実した職業訓練を受けることができる社会へ、税金を使う仕組みを変えていかないといけない」と話した。

講演を聞いた、将来就労支援の仕事がしたいという和歌山市大河内の大学生(22)は、「周りの知人をみても苦労していて負のスパイラルから抜け出せない感じを受けます。湯浅さんが示す、非正規社員の人にも、税金をしっかりと使うような税制度の社会が必要なのかもしれませんね」と話していた。





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