2011年04月22日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

お願いコールあと一日 紀美野町議選

紀美野町議選も24日の投開票まであと一日。 候補者たちは連日の連呼による声枯れにも負けず、 朝から積極的に街宣。 要所や地元では演説し、 昼からは有力な支持者を連れて地区内を回るなど、 票固めと浮動票の取り込みに東奔西走している。 「一票でも多く積み重ねたい」 と、 支援者らもお願いコールに声を振り絞っている。

前回当落線上にいたベテラン現職の事務所では、 朝からお願いコールが始まる。 町内の街宣も2巡目に突入。 投票を断られることもあるが、 「応援してます。 頑張ってください」 と勇気付けられ、 次のコールにも力が入るという。 支援者の男性は 「前回は下で当選したから今回は力を入れている。 現職としての実績が、 町民から返ってくると信じたい。 当選させてやりたい」 と力強く語っている。

一方、 後半になるにつれ、 街宣車も有権者の多い地区からいったん離れ、 人口の少ない地区に向かう陣営も。 山間部の奥にある唯一の一軒へ、 自分たちの 「声と思い」 が届くように声を枯らしての売り込み。 昼時も休まず活動を続ける陣営があれば、 「腹が減っては戦ができぬ」 と事務所へ帰ってくる陣営も。 票固めと手応えの差が現れている。 一日の走行距離について、 ある陣営では 「だいたい今で400キロ。 一日130キロくらい走ってます。 夕方からは帰りの通勤者をターゲットに走る」 と語る。

女性対決と新旧争い

18日現在の有権者数は9314人 (男性4270、 女性5044)。 全21投票区で男性が女性に比べて約1割少なく、 女性票の取り込みも当選の鍵。 特に今回は 「新人対現職」 という女性対決も見どころになりそう。 両者とも穏和な性格で 「子育て支援」 「福祉向上」 など女性ならではの視点で政策を訴えるなど似通う点もあり、 今後どこまで票が伸びるか注目される。

地区別では、 旧野上町に事務所を構えるのは、 現職8人、 新人1人、 元職1人の計10人。 中堅どころが多くそろい、 頭一つ抜けた有力陣営も数組。 各陣営ともしのぎを削っての激しい戦いだ。 旧美里町は、 現職5人と新人1人の6人。 議員歴が長いベテラン陣営に対し、 有力新人が票を奪いにいくという構図。 同地域は旧野上町に比べて票獲得のすみ分けもできており、 どこまで各候補が前回の票から上乗せできるか期待が寄せられる。

政策に掲げる内容別では、 少子高齢化対策が多いが、 これに付随して若者定住、 インフラ整備、 買い物・医療難民、 子育て支援、 福祉向上へとつながっていくなど根底課題が共通している。

特に若者が減っていくため町がさびれて企業が参入せず、 どんどん活力が減少していくなど悪循環を招いている現状がある。 また、 東日本大震災での影響から防災強化を指摘する候補も多い。 町は地盤が固く海から離れているため、 被災者の受け入れ態勢にも力を入れることができ、 実際に現在数人が親せきなどの縁故で同町に住んでいる。

予想外の参入で波紋

今回の選挙では、 説明会や事前審査を受けていた15人が候補者と予想されていたが、 告示日にふたを開けてみると、 予想外の 「16人目」 のベテラン元職が登場。 ある町民は 「びっくりした。 1人増えたことで白熱してくれるなら構わないが、 何で今なのかと思った。 より良いまちづくりのためだと信じたい」 と声をもらす。 当人は家族の反対を受けたものの、 「福祉や生活基盤の向上を」 「少子高齢化問題を何とかしたい」 との思いがあきらめきれず短期決戦に出た。 ベテラン元職なりのつてを頼りに、 選挙カーを使わずの独自の戦いを展開中だ。

今回は前回よりも上と下で当選票がばらけると予想されるため、 下位組は 「下のだんご状態にもまれたくない」 と必死の姿勢。 前回当落線にあった現職は 「さらに気を抜けない戦いになった。 最後まで全力で立ち向かいたい」 と語っている。





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