2011年06月13日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

34年の歴史に幕 黒江小の郷土資料館

34年の歴史に幕 黒江小の郷土資料館

閉館を惜しみ館内を見学する児童たち

海南市船尾の市立黒江小学校 (丸谷泰規校長) で10日、 学校の敷地内にある 「郷土資料館」 の閉館式が行われた。 8月から始まる同校の耐震工事に伴うもので、 建設当時の工事関係者、 児童、 保護者ら約350人が出席。 資料は保存され、 来年11月ごろの耐震工事の完成とともに、 校舎内で再オープンする。

同館は、 児童の学習利用のほか、 地域の人に郷土の大切さを知ってもらおうと、 同校の創立100周年を記念して34年前の昭和51年11月に竣工。 東大寺大仏殿の正倉院で知られる 「校倉造り」 と同じ造りで、 当時は話題を集めた。 地元産業である漆器作りの道具にはじまり、 昔の農具や生活用品、 教科書、 写真などの貴重な資料約250点が収められ、 これまで 「郷土に残る昔の民具展」 「河内浜塩田と塩業展」 「子どもの遊び展」 などの企画展を開いてきた。

式では、 建設当時の育友会などでつくる 「創立100周年記念事業実行委員会」 のメンバーで、 建設などを手掛けた(株)赤土建設の当時の社長、 赤土恒和さん (84) =現会長=が昔を振り返った。 77年前に同校を卒業した赤土さんは 「母校の黒江小は絶対に忘れられない。 勉強をしっかりし、 いつまでも健康で力強い子に育ってほしい」 と後輩にエールを送った。 また、 実行委の副会長を務めた山下倫弘さん (75) は開館当時を振り返り、 同館ができるまでの苦労話などを紹介し、 「大きくなっても資料館で学んだことをしっかりと覚えていてください」 と呼び掛けた。

近くの市立第一、 第二中学校がこの春 「海南中学校」 に統合し、 現在二中が仮校舎として使われており、 黒江小の児童は耐震工事の間、 一中の校舎を使用する。 7月中に移転を終わらせ、 8月1日に工事が開始される。 黒江小の校門は狭く、 児童の送り迎えなどで危ないため、 同館を撤去して駐車場にする予定という。





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