2011年09月04日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

転覆した船の2人助ける 和歌山市の妹背さん表彰

表彰を受けた妹背さん㊧

表彰を受けた妹背さん左

海南市下津町下津の海南海上保安署 (宮島照仁署長) はこのほど、 人命救助に顕著な貢献をしたとして、 和歌山市冬野の遊漁船 「清風丸」 船長、 妹背勤さん (67) を表彰した。

同署によると、 妹背さんは先月17日午前6時40分ごろ、 有田市初島町の沖ノ島近くの海上で釣りをしていたところ、 近くにいたプレジャーモーターボートが転覆し、 左舷の船底にしがみ付いている船員2人を発見。 妹背さんはベテランの漁師から教わった知識などを思い出し、 風上から船で近づくと船同士がぶつかって危ないため、風下からゆっくり近づき、 相手のボートにロープをくくり付けて一人ずつ助けた。

妹背さんは 「最初近くにいた船が一瞬見えなくなって、『ん?』 と思った。 すぐに船底の部分が見えて 『こりゃああかんわ。 すぐに助けやな!』 と思った。とにかく2人にけがさせたらあかんから無我夢中でした」 と豪快に笑った。

助けられたのは、 大阪市此花区酉島の会社員で船長の藤田為也さん (47)、 大阪府富田林市桜ケ丘町の会社員白柿睦郎さん (55) の2人。 転覆前、 ボートのいかりを下ろして釣りをしていた。 深さ約30メートルの岩場にいかりがはまり込み、 無理に引き揚げようとして転覆したという。 2人の命に別状はなかった。

この日、 表彰式に出席した妹背さんへ、 宮島署長から感謝状と記念品が手渡された。 宮島署長は 「機転を利かせた迅速な判断は賞賛に値します。 本当に感謝し尽くせない」 とたたえた。 妹背さんは 「人命救助は初めて。いかりが下ろされていたからまだ何とかなったと思う。 海の恐さをもっと知ってもらいたいですね」 と話した。





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