2010年02月24日

02.政治・経済

車駕之古址古墳を再整備、巨石を撤去へ

車駕之古址古墳

巨石が置かれて整備された車駕之古址古墳

巨石約100個を並べて整備し、 物議を醸した和歌山市木ノ本の車駕之古址古墳 (しゃかのこしこふん) 公園の問題で、 市教委は来年度予算案に石を8個程度を取り除く予算として475万円を計上している。 可決されれば、 取り除いた石は同市ふじと台に建設予定の貴志小学校分離校 (23年4月開校予定) の庭石として再利用するという。 文化振興課は 「最終的には完全復元を考えているが、 まずは石を有効利用できるようにしたい」 としている。

車駕之古址古墳は、 5世紀中ごろに作られたと考えられる県内最大級の前方後円墳。 平成2年の調査では朝鮮との国交を示す 「金製勾玉(まがたま)」が出土するなど、 この時代の紀北地区を知る重要な古墳とされる。 同19年6月には、 古墳を縁取るように巨石約100個を並べ、 古墳公園として整備された。

しかし、 この巨石配置に批判が集中。 実際の保全とは異なる石が現場に並べられていることが誤解を招くとして、 住民や専門家から疑問の声が上がり出し、 全国規模の任意団体からも市に抗議文が寄せられた。 市議会経済文教委員会でもことあるごとに委員が市教委に、 「早く取り除くべきだ」 との意見が出され、 市教委側は 「史跡の保存としてできるだけ実際に近いものをと考えていたが、 財政上の理由により一時保全になった」、 「公園の形状を重視するあまり、 古墳の形が分かればいいという結果になってしまった」 などと答えていた。 また、 財政が好転すればできるだけ早く本来の形で保存すると答弁していた。

同課によると、 来年度予算案には4トン級の比較的大きい石8個程度を取り除く費用を計上。 「これから石を有効利用できるようにしたい。 今後は新しい施設などの設計段階で組み入れてもらえるように交渉しているものもある」 と話している。





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