三菱電機の空調用圧縮機新工場が竣工

和歌山市手平の三菱電機(株)冷熱システム製作所 (原正一郎所長) 構内で昨年10月から工事が進められていた 「業務用空調機・冷凍機向け圧縮機」 の新工場が完成し、 29日、 竣工式が行われた。 業務用空調機は中国を中心に需要が増加しており、 新工場の稼働により生産能力を従来の1・5倍、 年間10万台から15万台に増強する。

業務用空調機・冷凍機の冷たい空気を送り出す部品を作る工場。 同社の業務用空調機はこれまで欧州向けが中心だったが、 2009年の省エネ法改正により買い換え需要が高まっている国内をはじめ、 アメリカ、 アジア、 オセアニアなど世界各地で採用が増加しており、 特に需要の拡大が急速に進んでいる中国では、 業務用のほか、 住宅用としてもビル用マルチエアコンが使用されているなど用途も拡大している。

新工場は延べ床面積約1万1600平方メートルの4階建て。 総事業費約35億円。 コンセプトに 「エコファクトリー化」 を掲げ、 太陽光発電システムや高効率機器を導入している。 今後、 部門別、 ライン別、 用途別の電力が目で見て分かるエコモニターを設置して省エネに取り組み、 「省エネ推進モデル工場」 として見学もできるように準備を進める。

式には関係者ら約50人が出席。 神事では玉ぐしを奉てんして工場の発展を祈った。 原所長は工事関係者や近隣住民に厚く感謝し、 「竣工式を一つの節目に、 心新たに皆さんのご期待に添えるよう努力していきたい」 とあいさつした。 工場は9月1日に稼働する。

設計は(株)NTTファシリティーズ(沖田章喜社長、本社=東京都港区芝浦)、施工は(株)大林組(白石達社長、本社=東京都港区港南)。