文科大臣表彰に西﨑さん 医療用端子で
科学技術分野の研究開発・理解増進などで顕著な成果を収めたとして、和歌山県内から太洋工業㈱(和歌山市有本)の西﨑優記さん(39)が文部科学大臣表彰の創意工夫功労者賞に輝いた。27日に県庁で伝達式があった。
文部科学大臣表彰は科学技術での功績をたたえることで国の科学技術水準の向上への寄与を図るもの。西﨑さんが受賞した創意工夫功労者賞は職域における技術の向上に貢献した人が対象で、同社からの受賞者は4年連続となった。
西﨑さんは医療向けエコーに使用されるフライングリード端子について、不良につながる折れや曲がりの発生要因を解析し、抑える方策を考案したことが評価された。
フライングリード端子は導体表裏に電気を流すことができ、信頼性の高い部品接続が可能なフレキシブルプリント基板。細かい配線が中空に浮いており、折れ曲がると断線して電気を流せなくなる不良があった。西﨑さんはフライングリード端子の不良原因は、打ち抜き衝撃による折れと特定。改善処置として表裏段差を微粘着フィルムで保護して衝撃を緩和させた。この対策後、最終良品率は53%から89%に大幅に改善した。
伝達式で寺本雅哉県商工観光労働部長から、表彰状とメダルを受け取った西﨑さんは「一人でなく、みんなで協力してできたことに価値がある。まだ改善するところはたくさん現場に残っている。技術を向上させて世の中に出るものを作っていきたい」と話した。
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