新たな一の鳥居完成 伊太祁曽神社で神事
和歌山市の伊太祁曽神社(奥重視宮司)の一の鳥居が新たに完成し、23日に清はらいの神事と通り初めが行われ、崇敬者らで祝った。
一の鳥居は昭和初期に竣工し、老朽化が進んできたため、伊勢神宮の第62回式年遷宮の際に出た外宮板垣御門鳥居の古材と従来の鳥居に使われていたヒノキ材を合わせて新たな鳥居を建立することが計画された。
工事はことし1月から進められ、当初は2カ月ほどで完成を予定していたが、木材の腐食部分の処理などに時間を要し、工期は約半年間に及んだ。
新鳥居の柱の下部は従来の鳥居を使い、伊勢神宮の木材とつなぎ合わせる「根継」で建てられている。腐食部分は埋め木することで原型を生かした。
清はらいには約50人が参列。神社の周囲をおはらいで清めた後、通り初めが行われた。棟上げの際の礼服である直垂(ひたたれ)で正装した物忌童子が斧でしめ縄を断ち切り、楽人が笙や篳篥(ひちりき)、太鼓を演奏しながら鳥居をくぐり、それに続いて参列者も鳥居をくぐった。
通り初めを終えた参列者は本殿に参拝し、新しい鳥居の完成を報告。奥宮司は「根継や埋め木の技術で今までの鳥居の部分も残すことができた。神社の入り口としてお参りする人たちの目印になってくれたら」と話していた。
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