子育て両立支援でプラチナ認定 紀陽銀行

子育てと仕事が両立しやすい職場環境づくりにより高い水準で取り組んだとして、㈱紀陽銀行(和歌山県和歌山市本町)が厚生労働省認定の「プラチナくるみん」に選ばれた。県内のプラチナくるみん認定企業は太洋工業㈱に続き2社目。「くるみん認定企業」には介護事業の社会福祉法人紀伊松風苑(同市園部)が認定された。いずれも女性従業員の割合が高い職場で、結婚や出産による離職に歯止めをかけようと地道に取り組んだ成果が認められた。

2005年施行の次世代育成支援対策推進法に基づく認定制度。計画に定められた目標を達成するなど一定の要件を満たした企業が認定される。

紀陽銀行は2016年から18年にかけて、行員の育児休業取得▽「連続休暇制度」の取得▽月4回以上のノー残業デー――などに取り組んだ。結果、育休取得率は男性で72%、女性で94%の高い水準となり、出産した女性の在職率は100%となった。

不安なく育児と仕事を両立できるよう、育休取得前や職場復帰前の研修にも力を入れ、現在では女性行員の4人に1人が育休取得経験者。後輩たちが先輩に悩みを相談できる環境も生まれた。

時間外労働は月6時間以内に抑えることに成功。「水曜は午後5時に勤務を終える」や「午後7時半にパソコンの電源を落とす」などを徹底し、ようやく定着したという。松岡靖之頭取は「『女性の活躍』がうちの大きなキーワード。結婚や出産で離職せず、将来的に幹部になってもらいたい」と話した。

紀伊松風苑は2012年に事業所内に保育施設を開設。職員の離職防止に努めてきた。長時間労働のイメージがある介護現場だが、時間外労働は月4時間以下、女性職員の育休取得率は100%を達成した。横山申彦理事長は「せっかく貴重な人材を育てても人生の節目で離職してしまう負のスパイラルを止めたかった。保育園の設置は『子どもを預けるところがあるなら働きたい』と新たな人材確保にもつながった」と感慨深く話した。

6月29日には和歌山労働局で松淵厚樹局長による認定通知書の交付式が行われた。

認定を受けた紀陽銀の松岡頭取㊨と松風苑の横山理事長㊧(中央は松淵和歌山労働局長)

認定を受けた紀陽銀の松岡頭取㊨と松風苑の横山理事長㊧(中央は松淵和歌山労働局長)

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