2011年02月26日

00.社会/04.文化・くらし

写真で世の中に恩返し、ジュニア駅伝記録の山口さん

愛用のカメラを手に山口さん

愛用のカメラを手に山口さん

20日にあった第10回県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会。 小中学生の一生懸命な姿が爽やかな感動を生んだが、 その陰には交通整理や給水、 案内などで大会を支える約400人の一般ボランティアがいる。 和歌山市鷹匠町の山口隆章さん (69) もその一人。 ボランティアではただ一人、 記録係として8年前から同駅伝を写真撮影してきた。 山口さんは、 「私が世の中に何らかの恩返しができるとしたら写真ですから」と笑顔で話している。

山口さんは和歌山読売写真クラブ代表も務め、 「趣味」 というものの写真歴は54年。 紀陽銀行を退職した9年前、 「写真を通してやりがいを」 「カメラで社会の役に立てたら」 と撮影ボランティアを始めた。

ジュニア駅伝では交通規制があるため、 知り尽くしている裏道をバイクで駆け抜ける。 苦労するのは選手たちのアップと全体の両方を撮ることと。 走る姿だけでなく、 開会式前に柔軟体操する姿や、 紀三井寺陸上競技場の全体風景、 式の様子、 号砲のピストル、 応援する家族やスタンドの観客なども物語風に収める。

スタートした選手の後ろ姿を撮り終えるとすぐ中継地点に先回り。 タスキを渡す選手の必死の表情に感動しながらゴール地点へ移動し、ゴールでは全員の写真を撮る。 ことしは43人。 「それが記録係です」 と山口さん。

これらの写真の権利は県に譲り、 広報などに利用されてきた。 県教育庁生涯学習局スポーツ課は、 「県も撮りますが全部は無理。 毎年山口さんが精力的に撮ってくださり本当にありがたい」 と語る。

ほか山口さんは、 秋のジャズマラソンを毎年、 平成14年のワールドカップ日韓大会デンマークチーム合宿、 同年の世界少年野球大会、 15年のJリーグ名古屋グランパスエイト合宿、 20年の世界陸上フランスチームなども撮影してきた。

一番想い出深いのはデンマークチームという。 1カ月近く通ったため選手とも親しくなり、 休日にマリーナシティではしゃぐ選手の素顔もとらえた。 記念冊子の写真はほとんどが山口さんのもので、 「両国の友好にちょっぴり役立ったかな」 とほほ笑む。

現在、 中高年向け無料デジカメ教室講師も務めるがこれもボランティア。 5月の植樹祭も撮影する予定だ。 山口さんは 「使命感もありますが、 新しい出会いがもらえるので楽しい。 元気のもとかもしれません」 と話している。





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