2011年06月05日

04.文化・くらし

8月 和歌浦で漱石来和100周年記念シンポ

8月 和歌浦で漱石来和100周年記念シンポ

シンポジウムへの意気込みを話す溝端さん左と梶川さん

文豪・夏目漱石が講演のため和歌山市を訪れてちょうど100年のことし8月14日、 和歌山漱石の会 (恩田雅和主宰) は同市和歌浦南の和歌の浦アート・キューブで記念シンポジウム開く。 「漱石が和歌山で言いたかったこと」 をテーマに、 3人の漱石研究者が語り合う。 また、 漱石が乗って小説 『行人』 にも登場させた、 和歌の浦のエレベーターを描いたびょうぶも初公開される。

漱石が和歌山を訪れたのは明治44年 (1911) の8月14日から16日。 和歌の浦に宿泊し、 市内の県会議事堂 (現在の根来寺一乗閣) で 「現代日本の開化」 と題して講演した。

同講演は漱石の二大講演の一つといわれ、 優れた文明批評として有名だが、 漱石自身が聴衆に 「不快な念を与えたのは重々お詫び申し上げる」 と発言するなど実に異様。 謎があるという。

シンポジウムでは、 漱石が和歌山を講演先に指名した理由や大逆事件とのかかわりなどについて、 朝日新聞東京本社記者の牧村健一郎さん、 天満天神繁昌亭支配人でもある恩田さん(61)=和歌山市=、県立向陽高校教諭の梶川哲司さん(59)=岩出市=が意見交換する。

初公開のびょうぶは100年近く前に描かれたもので、 県立文書館主任の溝端佳則さん(51)=和歌山市=がエレベーター建設100年に当たる昨年暮れに見つけた。 この不思議な縁に溝端さんは、 「シンポジウムのために出現したようなびょうぶ」 と感慨深げ。 また、溝端さん所蔵の絵はがきで構成したパネル 「漱石が見た和歌山」 も展示される。

梶川さんは、「『100年前に漱石が和歌山に来たんだよ』『へえー』だけでなく、 漱石は本当に何を語りたかったのか、 100年後の今こそ検証したい」 とし、「漱石といえば『坊っちゃん』の松山が有名ですが、 和歌山での講演と『行人』 には漱石の本質が現れている。 和歌山が漱石研究の聖地になれば」と話している。

シンポジウムは午後1時から。 入場無料。 申し込み不要。 詳しい問い合わせは梶川さん(TEL080・1490・9050)。





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