田中兄弟に声援 メダル逃すも「夢くれた」


田中兄弟に熱い声援を送った会場

 ロンドン五輪体操競技・男子種目別決勝の平行棒が日本時間7日深夜に行われ、メダル獲得が期待された県立和歌山北高校出身の田中兄弟は、兄・和仁選手(27)=徳洲会=が4位、弟・佑典選手(22)=コナミ=が8位だった。和歌山市役所ではパブリックビューイングが開かれ、約150人の市民らが応援した。

 出場9人の7番目に登場した和仁選手は、 安定した演技で着地も決め、 会場を沸かせたが、 肘の緩みなど小さなミスが響きEスコア (実施点) が伸びなかった。 8番目に演技した佑典選手は、 腕が曲がるなどのミスがあり、 着地も前に動いてしまった。

 各選手が予選よりも技の難易度を上げるなど、 わずかなミスが順位を左右する展開となり、 団体の銀メダルに続く田中兄弟の表彰台はかなわなかった。

 会場では、 田中兄弟が在籍した 「オレンジ体操クラブ」 の後輩をはじめ、 来場者が熱い声援を送り、 最後には2人の健闘をたたえる拍手が沸き起こった。

 田中兄弟を小学生時代に指導した同クラブの伊熊博文さん (59)は「子どもたちに夢を与えてくれた。よく頑張った。お疲れさまと言ってあげたい」と2人をねぎらった。同クラブの高校1年生、古田一馬君(16)は「本当に少しの差で(メダルに届かず)惜しかった。 世界で活躍している先輩に自分も続きたい」。きのくにジュニア体操クラブの小学4年生、井本稀乃華さん(9)は 「爪先やひざがちゃんと伸びてきれいな演技だった。 世界レベルの体操は違うと思った」と話した。

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