東照宮に六歌仙の書画奉納


奉納された六歌仙の書画を手に西川宮司、 田村さん、 越谷さん (右から) ら

 田辺市出身、阪南市の建築デザイナー、 田村茂さん(65)と同市の越谷晶さん(55)は18日、 平安時代の優れた歌人とされる 「六歌仙」を描いた合作の書画を、 紀州東照宮 (和歌山市和歌浦西)に奉納した。 書画は、 三十六歌仙について調べるうち、日本語の美しさに感動した田村さんが作品にしようと発案。 2人は「いにしえの時代に思いをはせ、 多くの方にご覧いただきたい」と話している。

 奉納されたのは48㌢×58㌢の作品6枚。 田村さんが6人の歌人一人ひとりを、 水で薄めたアクリル絵の具で和紙に描き、 越谷さんが 「世の中に たえて桜のなかりせば 春のこころは のどけからまし」 (在原業平) など、 それぞれの歌人の代表的な歌を、 変体仮名で百人一首風に書き添えた。

 田村さんは数年前に知人から三十六歌仙の絵の依頼を受けたことをきっかけに、 和歌や歌人に興味を持つようになったという。 作品を描きため、 知人の越谷さんに書を依頼。 万葉ゆかりの地が数多いふるさとの和歌山に作品を残したいと考え、 仕事でつながりのあった同宮へ申し出た。

 同日、 東照宮会館で奉納の神事が行われた後、 作品は館内に飾られた。 西川秀紀宮司 (67) は 「一層華やかになりました。 ここでは子どもたちの五色百人一首の大会も開かれるので、 皆さんに喜んでいただけると思います」 と笑顔で話していた。

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