避難所プライバシー対策「間仕切り」 和大が開発


子どもから大人まで簡単に組み立て可能な間仕切り(和大提供)

 東日本大震災の避難所でも浮き彫りになったプライバシーの問題。和歌山大学(山本健慈学長)=和歌山市栄谷=は7日、避難所で使用する段ボール組み立て式の間仕切り(実用新案申請中)を開発し、近く販売可能になったと発表した。段ボールの接合はマジックテープを採用し、繰り返し使えることから普段の防災訓練での使用が可能で、同大は「訓練で実践してもらうことで、地域防災力の向上を期待しています」と話している。

 間仕切りは1㍍20㌢四方の段ボール72枚1セット。1セットで四畳半のスペースが10区画つくれる。組み立て時間は約30分、撤去も約5分と簡単。価格は1セット2万円以内を予定している。受注があれば、組み立て図を段ボール会社に送付し、製品化して受け渡すシステムになる。

 すでに昨年から県内の中学校でも防災訓練に使用し、使いやすさは実証済みという。開発に関わった県は各施設などに導入する考えで、県外からは大阪府岸和田市が購入を検討するなど注目されている。開発の中心人物、同大防災研究教育センターの今西武客員教授は「大災害に備えて県内外の自主防災組織に導入してもらいたい」と普及に向け意気込んでいる。

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