49年前出場、福原さんも喜び 東京五輪


記録誌を手に当時を振り返る福原さん

 「まるできのうのことのようですね」――。写真集をめくりながら、懐かしそうにほほ笑むのは、和歌山市古屋の福原広次さん(68)。49年前の東京五輪では自転車競技の選手として出場した。今回、2020年夏季五輪・パラリンピックの開催地が東京に決まり、2度目の東京五輪開催を喜んでいる。

 福原さんは福島県生まれ。高校3年の頃に自転車を始め、インターハイにも出場。日本大学に進学後、本格的に自転車を始め、2年生の19歳で東京五輪に出場した。団体で19位の成績を残し、黒潮国体を機に和歌山へ。

 東京五輪では、大歓声に包まれた国立競技場で選手団の行進。「自国初開催の五輪への出場は格別。これほど素晴らしいものはないと思った」と振り返る。49年たったいまも鮮明に記憶に残るほど、特別な体験だったという。

 「何があっても代表に」という強い思いで、夢をつかむため努力を惜しまず、五輪出場を果たした自信が、一生涯の大きな支えに。五輪をはじめ、数々の国際大会に出場し、スポーツの素晴らしさを知った。7年後へは「日本で開かれる五輪。特にチャンスのある中高生には、ぜひメダルを目標にしてほしいですね」とエール。

 ふるさと福島への思いも。東日本大震災後の東京開催に「大変喜ばしいこと。さまざまな意見はあると思うが、日本経済が豊かになれば復興にもつながる」と話す。

 現在、日本スポーツ吹矢協会県会長を務める福原さん。「2015年の和歌山国体にも大きな弾みになる」とし、「オリンピックを目指すなら、まず国体で上位をという思いになる。国体が目標をしっかり立てるステップにもなるはず」と期待を寄せている。

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