左官の仕事は楽しい 子ども教室
作り方を指導する真砂さん(中央)
土を練り、建築物の壁などを塗る左官の仕事に親しんでもらおうと、夏休み中の小学生らを対象にした「こども左官体験」が17日、和歌山市湊の「庭の雑貨屋Aruru」で開かれ、セメントでキノコの置物作りに取り組んだ。
同市野崎の真砂(まなご)左官の代表、真砂清隆さん(64)が主催。田辺市中辺路町出身で、15歳で和歌山市に移って以来、左官一筋の真砂さん。職人歴50年を迎えるのを機に、左官のために恩返しをしようと体験教室を初めて企画。職人仲間4人の協力、建材業者など11社の協賛を得、23人の子どもと家族ら約50人が参加した。
教室では、人気のテーマパークの施設にも使われているというセメント素材を使用。参加者は、練ったセメントを手に取り、キノコの大まかな形を作ると、しばらく乾かした後、こてで削って形を整える作業に。
傘の部分の丸みや軸の太さなど、思い描くキノコの形にしようと、子どもたちは手を泥だらけにしながら作業に夢中。削り過ぎて割れてしまっても真砂さんらがその場で修復し、笑顔と歓声の中で教室は進んだ。
同市野崎から母親と3人で参加した小学4年生の辻本奈々美さん(9)と1年生の悠太君(7)の姉弟は「セメントを触ったのは初めて。削るのが難しいけど楽しい」「形を作るのが面白い。またやってみたい」と話していた。
真砂さんは「土を練る楽しさや温かみを感じて、左官ってこういうもんやと体験してもらいたい。建築関係の仕事に興味を持ってくれればうれしいですね」とにこやかに話し、第2回も開きたい考え。さらに、主婦向けにガーデニングに役立つ左官の教室などのアイデアも温めている。
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