年頭のごあいさつ2023

百折不撓で未来へつなぐ

新年おめでとうございます。令和5年癸卯(みずのと・う)の新春を迎え、読者の皆さまに謹んでごあいさつ申し上げます。

癸は十干(じっかん)の順序で言えば最後にあたるので、一つの物事が収まり次への移行を意味し、卯は、草木が伸びて地面を覆うといった生命力にあふれた状態を意味するといわれています。それらの意味の通り、コロナに区切りがつき、次のフェーズに向かって成長していく新時代の始まりの一年になることを期待しています。

昨年はロシアとウクライナの争いを皮切りに、世界経済全体の成長が低迷し、あらゆる燃料が高騰し、物価高の傾向となりました。日本もその影響をまともに受けて、われわれの生活においてもそれを肌で感じることが増えています。非常に不安定な状況です。しかし、今までの固定観念を取り払って、新たな日本の在り方や、地域の発展について、見直すきっかけを与えてくれていると受け止めています。自分たちの地域は自分たちで豊かにしていこうというローカルファーストの概念で、住んでいる地域の皆さまと共に支え合いながら乗り越えていきたいと思っております。

さて、わかやま新報は読んで地域を知る「リードローカル」を実践しています。SNSの情報だけで地域を知ることはできません。地域に寄り添った記者が汗をかいて記事を書くからこそ、地域と人、人と人がつながり、地域をより深く知ることができます。とはいえ、今までと同じように一生懸命に取り組んでいるだけでは、じり貧のままです。これからの世代に向けては、より一層読んでもらう工夫が不可欠です。時代に沿った紙面づくり、新聞を読む機会創出を打ち出していかなければなりません。

本年のスローガンは「百折不撓」です。何度失敗を繰り返しても、くじけずに立ち上がり、信念を貫き挑戦し続けたいと思います。世の中の新聞離れは加速する一方ですが、地域の子どもたちのために、未来につながる地方紙「わかやま新報」を確立したいと思っております。

最後になりましたが、読者の皆さまのご健勝、ご多幸を祈念申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。

 

㈱和歌山新報社 代表取締役社長
津村 周

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