着物をワンピースに 山路さんリメーク教室

捨てられていく着物をよみがえらせたいと、和歌山市の山路裕子さん(44)は気軽に着られるワンピースにリメークする教室を開いている。祖母などから受け継いだ着物の扱いに困っている人は多いこともあり、パラシュートを開くようにあっという間に着ることができ、動きやすくおしゃれな着物ワンピースは、「着て成仏、作って喜びを味わうことができる」などと話題を呼んでいる。

山路さんが作る着物ワンピースは、上からスポッとかぶるだけで着ることができ「裕山単衣(ゆうざんひとえ)」と名付けたオリジナル。

同市小雑賀のミライテソーイングスクールで毎週水曜日に開かれている教室で、作り方のノウハウを教えている。

山路さんは手芸店に10年以上勤め、ぬいぐるみ作りや羊毛フェルトなど、縫い物が好き。3年前、イベントに出演するときの衣装として思い付いたのが着物ワンピース。「かわいい」「どこで売ってるの?」と多くの人の目に留まった。

また作りたいと着物について調べていると、タンスに眠っている着物の行く先はリサイクルショップか、ごみということを知った山路さん。日本の伝統が捨てられていくことに切なくなり、「自分にできるのは着物ワンピースをみんなに広めていくこと、作ったことがない人にも楽しさを伝えたい」と昨年11月に教室を開いた。

着物ワンピースは、下地の糸をほどき、一枚の布にして縫っていく。「ほどくと『こんなに手の込んだものを作っていたんだ』と、日本人のものづくりの魂が伝わってきた。大切にしようと思った」と山路さんは言う。

教室に5回通っている有田市の松原佐和さん(43)は「山路さんが着ているのを見て、かわいいから作ってみたいと思った。着物は好きだけど着付けができないから諦めていたけど、このワンピースなら手軽」と笑顔。

4着作ったという濱野葵さん(43)は「自分で作ってみると楽しい。簡単に着られて、車の運転もでき、自転車にも乗れて、いろんな人に声を掛けられる」と話していた。

ワンピース制作教室は1回5500円。素材や制作スピードにより変動するが、1着の制作にかかる回数は4~6回。問い合わせ、申し込みはミライテソーイングスクール(℡090・3106・1129=午前9時~午後5時)。

 

ベルトやインナーで個性ある着方が楽しめる着物ワンピース