ワクチン接種スピード維持 和市が国に要望
和歌山市は18日、65歳以上の高齢者に対する新型コロナウイルスワクチンの1回目の接種が6月中旬でほぼ終了する見通しとなったことから、同下旬から並行して一般の基礎疾患がある人への接種を開始し、接種のスピードを落とさず早期に完了できるよう、充分なワクチンの供給量を確保することを国に要望した。高齢者の接種推進では、現在の個別接種に加え、6月12日から市内3カ所で集団接種を実施する。
尾花正啓市長が臨時の記者会見を開いて発表した。
政府の統計によると、高齢者の1回目の平均接種率(5月16日現在)は全国平均2・57%に対し、県は全国1位の9・47%まで進んでいる。中でも和歌山市は、対象者約11万1000人に対し、17日現在で11・02%の1万2229人が接種を終えている。
市の試算では、市内は6月以降、1週間に約3万人への接種が可能な体制となっているものの、高齢者のみへの接種では同下旬から市内の接種量が減少することが見込まれる。
市は、現状は高齢者の2回目の接種が中心となっている6月下旬から、一般の基礎疾患がある人への接種を前倒しし、並行して実施することを求めており、実現すれば9月の最終週には希望する全市民への接種がほぼ完了し、現状の計画より6週間の短縮が可能としている。
尾花市長は、優先順位の異なる階層ごとに接種時期が区切られている現状に対し、「スピードを一定に保つことが必要。階層を重ねて接種できないのはもったいない」と要望の狙いを話した。
要望書は市東京事務所から、田村憲久厚生労働大臣、河野太郎ワクチン担当大臣と、首相官邸、県選出国会議員に提出した。
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