能「熊坂」など上演 10月和歌の浦万葉薪能

第22回和歌の浦万葉薪能が10月10日、和歌山市和歌浦南の片男波公園野外ステージで開かれる。NPO法人「和歌の浦万葉薪能の会」(松本敬子代表)が主催。2年ぶりの開催となることしの演目は観世流の能「熊坂(くまさか)」替之型と大蔵流の狂言「棒縛(ぼうしばり)」。同会は「いろいろ騒がしい世の中ですが、静かに落ち着いて能を見ることで、心を癒やしていただければ。文化は継続することが大切。見応えある演目なのでぜひご覧ください」と呼び掛けている。

能「熊坂」は、盗賊の首領・熊坂長範が旅の僧の前で牛若丸に退治された無念を語る物語。2人の僧が静かに向き合う前場と、熊坂長範の亡霊が長刀を持ち、豪快な舞で戦いを表現する動きある後場の対比が見事な演目。主人公(シテ)の熊坂長範を観世流能楽師の片山九郎右衛門さんが演じる。

狂言「棒縛」は、酒好きの太郎冠者と次郎冠者が、主人の留守中に盗み飲みしていたのが知られ、それぞれ縛られてしまう。それでもどうにかして酒を飲もうと知恵を絞って苦心する所作が見どころ。主人公の次郎冠者を大蔵流狂言師の茂山逸平さん、太郎冠者を茂山千之丞さんが務める。

この他、観世流能楽師の小林慶三さん、橋本忠樹さん、金春流太鼓方・前川光範さんに指導を受けた市民向けの能楽ワークショップ受講者の成果も披露される。

第1部(能楽ワークショップ)は午後4時20分開演、第2部(狂言・能)は5時ごろから。前売り券は一般3000円(当日3500円)、学生(小・中・高・大学生)は1000円(当日1500円)。

問い合わせ先は同会(℡090・1967・3084)。

 

能「熊坂」(和歌の浦万葉薪能の会提供)

能「熊坂」(和歌の浦万葉薪能の会提供)

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