特殊詐欺を未然に防ぐ ファミマ店員に感謝状

特殊詐欺被害を未然に防いだとして、和歌山北署は22日、ファミリーマート和歌山松江北店の店員、安田順一さん(56)と、同店に商品の納入をしている大阪サンヱー物流㈱(大阪府枚方市、安納一樹代表)の社員、安本明夫さん(60)に感謝状を贈った。

同署によると、9月12日午後1時35分ごろ、同店を訪れた60代の男性が20万円分の電子マネーカードを購入しようとしたため、レジで対応した安田さんが特殊詐欺を疑い、購入理由を質問。男性は「ゲームを買った」などと答えたため、安田さんは「お孫さんに購入されたんですか」「ご家族に相談されなくて大丈夫ですか」などと重ねて質問すると、男性は安田さんが特殊詐欺を疑っていると察した様子で「大丈夫やから早くしてくれ」などと話した。

安田さんは時間稼ぎをしながら、同店に商品の納入に訪れていた安本さんに110番通報を依頼。安本さんもレジに置かれたお金や、男性の携帯電話が頻繁に鳴り、相手にせかされているような様子を見て、特殊詐欺を疑い通報した。

同署で行われた贈呈式で、湊隆弘署長は「連携プレーでバトンを受け渡し、110番通報してもらいありがとうございます」と感謝状を手渡した。

安田さんは「もし間違っていたら謝ろうと覚悟していたので、防げて良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。110番通報した翌日、男性から直接「昨日はごめんな。ありがとう」と感謝を伝えられたといい、安田さんは「自分にできることを今後もしていきたい」と意気込んでいた。

感謝状を手に安田さん㊥と安本さん㊨

感謝状を手に安田さん㊥と安本さん㊨