小村さん、西平さん受賞 県経営者協が表彰

和歌山県経営者協会は、県内で独創的で市場性のある事業を展開している企業・経営者を表彰する「アントレプレナー(起業家)大賞」に㈱コムテック(和歌山市西浜)の小村哲也代表取締役を、地域経済の発展に貢献する県内の先進的な女性をたたえる「キラリ!輝く女性ビジネス大賞」に㈱信濃路(同市松島)の西平都紀子代表取締役を決定した。17日、同協会の定時総会で表彰式が行われた。

アントレプレナー大賞は2004年に創設し、今回が17回目となった。

コムテックは2000年に介護事業に参入。小村代表は、長年運営に携わってきた社会福祉法人の活動を通じ、施設関係者が在庫管理などの業務に追われる姿を見て、「必要なものを、必要なときに、必要なだけ届ける」ことができればとの思いから、自社サイトによる介護用品などの管理から発注までの一元化を確立。現在は取引事業者が全国約8000カ所、約1万の商品アイテムを取り扱うまでに成長した。

さらに、社会活動として20年前から特別支援学校の就労支援にも協力。自社従業員の4分の3が女性であり、有給休暇の取得促進など、女性が働きやすい環境づくりにも力を入れていることなどが高く評価された。

キラリ!輝く女性ビジネス大賞は12年に創設し、今回が10回目となった。

信濃路は、そば・うどんを主とした和食専門店から始まり、西平代表が就任後、総菜店や天ぷら専門店、とんかつ専門店などを展開し、レトルトカレーなどの物販、製造など多岐にわたる業務を自社で構築。就任時の5店舗から、現在は国内21店舗、マレーシアなど海外4店舗を展開するまでに事業を発展させてきた。

西平代表は社内の活動にとどまらず、「おどるんや~紀州よさこい祭り~」を立ち上げ、運営団体の会長を務めるなど、活力ある和歌山のまちづくり、人づくりを推進。子ども支援に取り組むNPO法人を設立し、青少年育成にも取り組む。地域経済への貢献はもちろん、今後もさらなる活躍が期待されるとして受賞が決まった。

表彰式では、県経営者協会の木村明人会長が2人に盾と賞金の目録を贈呈。小村さんは「栄えある賞を頂き、身の引き締まる思い。この賞に恥じないように今後とも精進していきたい」、西平さんは「仕事を通じて地域の皆さまのお役に立とうということを軸に頑張ってきた。今後も地域に喜んでもらえるように頑張りたい」と話した。

 

アントレプレナー大賞の小村さん

 

キラリ!輝く女性ビジネス大賞の西平さん

 


新会長に田中氏

総会には会員ら約100人が出席し、21年度の事業報告や決算、22年度の事業計画案や予算案を承認した。役員人事では、新会長に㈱日本化学工業所の田中俊一社長、副会長に㈱山本進重郎商店の山本進三代表取締役、顧問に木村会長が18日付で就任することが決まった。任期は2年間。

木村会長は退任のあいさつで、会員増加などに努力してきたことを振り返り、行政などの補助を受けることなく、独立して運営できていることが同協会の大切なことだとし、新体制への一層の協力を呼び掛けた。

田中新会長は「先輩方が築いてきた事業のさらなる充実を図り、大変革期にあってこれからの協会のあるべき姿を見据え、会員の要望に応えるべく精いっぱい努める」と述べた。