地域防災で連携 和大と自衛隊地方協力本部
和歌山大学(和歌山市栄谷)と自衛隊和歌山地方協力本部(同市築港)は8日、地域防災に貢献する人材育成などを目的とした連携協定を締結した。自衛隊地方協力本部連携協定の締結は、国立大学では同大が初めて。
同大は昨年3月、「大学の防災力強化」と「防災・減災・復興の担い手づくり」を目的に、大学内に常設の災害ボランティア拠点「和歌山大学災害ボランティアステーション(通称・むすぼら)」を開設。地域とも連携しながら災害に強い人材の育成に取り組んでいる。
近い将来、南海トラフ巨大地震などの大規模な地震の発生が懸念される地域に位置することから、さらなる防災力の強化と、防災にかかる地域貢献の人材育成を目的に連携協定を締結した。
今後、同大の教養科目として10月に開講する「災害ボランティア学」において、自衛隊員が災害派遣活動についての特別講義をする他、AED(自動体外式除細動器)の使用方法といった災害救助の実技なども取り入れていく予定。
調印式は同大の産学連携イノベーションセンターで行われ、同大のマスコットキャラクター「わだにゃん」と、自衛隊和歌山地方協力本部の「みかんの助」らが見守る中、伊東千尋学長と中尾京一本部長が協定書に署名した。
伊東学長は「地域社会における中核大学としての役割として、この協定を機にさらに地域のために動ける大学になっていきたい」と意気込んだ。
中尾本部長は「公助でやっていることを知った上で、自助・共助でやっていかないといけないことを考えてもらいたい」と願い、「多くの学生が地域の方と寄り添いながら活躍してくれることを期待している」と話した。
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