丸正の再建秘話も 「百貨店の戦後史」発刊
全国各地の閉店した百貨店の興亡に迫るノンフィクション『百貨店の戦後史 全国老舗デパートの黄金時代』が出版され、和歌山市本町にあった丸正百貨店が掲載されている。
同書では、かつて地元に愛され、降盛を極めたものの今は消えてしまった全国各地の11店の老舗デパートを取材。関係者の証言や、当時の新聞記事などを取り上げ、その歴史を日本の戦後史とともに振り返っている。
著者は、日本の現代史をさまざまな側面から照射する書籍の編集・執筆に携わる、夫馬信一さん(63)。
丸正は1932年、本町に4階建てビルの百貨店を開店し、地元の商売をけん引していった。
多くの人でにぎわっていた頃の丸正で人気だった、地下の食料品売り場のひやしあめ、5階の大食堂、メリーゴーラウンドや電車などがあった屋上遊園地の様子が写真付きで紹介されている。
また、和歌山大空襲で焼失した丸正の戦後再建にまつわるミステリーや、これまで知られていなかった興味深い事実も市立博物館の太田宏一学芸員の証言などを交えて書かれている。
夫馬さんは「ものすごくユニークなエピソードがいっぱいあるので地元の人にぜひ読んでもらいたい」と話している。
発行は国書刊行会。3960円。全国の書店で販売している。
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