事業承継を考える 県信用保証協会セミナー
中小企業の未来を考えようと、和歌山県信用保証協会(細川一也理事長)は21日、和歌山市十二番丁の同協会で「事業承継セミナー」を開いた。
中小企業経営者の高齢化が進む中、事業承継が需要な課題となっていることを受け、企業への保証業務にあたる同協会がセミナーを企画し毎年開催している。
セミナーには、同協会保証付融資を利用する人や事業後継を予定している人ら約20人が参加。2人の講師が、事業承継のメリットやデメリット、進める上でのポイントなどを説明した。
講師は、県事業承継・引継ぎ支援センター統括責任者の井上禎さんと、㈱アテーナソリューション代表取締役で、一般社団法人小規模企業経営支援協会の代表理事、立石裕明さん。
井上さんは親族承継について、「承継を考える前に会社の将来性を考え、必ずしも事業承継が必要か」、「譲るタイミングに正解はないが、後継者が会社の強みを伸ばすにはそれなりの時間がかかる。60~70歳で考えてほしい」、「後継者の資質の見極めと育成が求められる」などと話した。
立石さんは、世の中の流れで親から26歳で料理旅館を承継したといい、阪神淡路大震災をきっかけに負債も引き継いでいたことが分かったという。「継ぐ覚悟とは借金を継ぐ覚悟があるかどうか」など経験をもとに講話した。
橋本市高野口町で機械移動据付や部品製作を行う真栄製作所の熊代二郎さん(79)は「自社は地域に必要とされ、なくすわけにはいかないが後を継ぐ者がいない。長年の経験がいる仕事で、何年も前から何とかしないといけないと考えていた。セミナーを聞いて、事業や誰にするかなど今後のことを考えたい」と話した。
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