中国の生徒が和歌山の歴史学ぶ 県立博

県立日高高校と姉妹校交流を続けている中国・陝西省(せんせいしょう)の西安中学校の生徒たちが7日、和歌山市吹上の県立博物館を訪問し、和歌山の歴史や文化に理解を深めた。

両校の交流は、ことしで10年目、西安からの訪問は5度目となる。訪問したのは西安中学の生徒10人の他、日高高校と付属中学校の生徒6人と引率教師ら。

訪問団は2日から日高地方入り。この日は白崎海岸や、湯浅町のしょうゆ蔵を見学してから同市内へ。同館の前田正明主任学芸員案内のもと、同館でこのほど完成したばかりの中国語の展示物ガイドを手に、常設展を見て回った。

前田主任学芸員は、日本の古代の租税制度は、中国の制度を手本にしたことや、熊野信仰や捕鯨文化について説明。江戸時代には航路の発達により、和歌山で生まれたしょうゆが江戸に伝えられ、全国に広がっていったことを紹介した。 徳川治宝(はるとみ)が作らせた偕楽園焼について紹介すると、生徒たちは興味深そうにレプリカに触れ、文様をのぞき込んでいた。

馬馨怡(マ・シンイ)さん(15)は、「和歌山は文化や歴史が豊か。人の一生を描いた曼陀羅図が印象に残りました。焼き物の絵柄は中国の水墨画に似ていて、親しみを感じます」とにっこり。

昨年西安を訪問し、今回ホームステイの受け入れもしている日高高校1年生の中井充歩さん(15)は「日本といえば、東京や大阪の印象が強いかもしれませんが、中国に帰ってからも、和歌山の歴史や文化の良いところを思い出してもらえればうれしい」と話していた。

この日は和歌山城も散策。訪問団は13日までの日程で、京都や奈良、東京などを観光予定という。

偕楽園焼のレプリカに触れる西安中の生徒たち

偕楽園焼のレプリカに触れる西安中の生徒たち