本町小跡に信愛大学 開学へ和歌山市と協定

来年4月に和歌山市立伏虎義務教育学校が開校するのに伴い廃校となる市立本町小学校の跡地に、男女共学の4年制大学、(仮称)和歌山信愛大学教育学部の設置が決まり、和歌山市と学校法人和歌山信愛女学院は26日、開学に向けて連携するための基本協定を締結した。開学は平成31年4月を予定している。

調印式は市役所で行われ、尾花正啓市長と同学院の森田登志子理事長が出席し、協定書にサインを交わした。

尾花市長が「学生の県外流出ワースト1の抑制となることに加え、保育士などの専門職の人が不足しているので、地域社会にとってもありがたいこと」と感謝すると、森田理事長は「(いじめ問題などで)子どもたちが苦しい思いをしている状態なので、心の教育ができる保育士や教員を育てたい」と応じた。

同学院の構想によると、設置するのは(仮称)和歌山信愛大学教育学部子ども教育学科。初等教育分野の人材育成に特化した学科で、保育士や幼稚園・小学校教員の免許が取得できるカリキュラムとなる見込み。1学年80人で収容定員は320人。全国の信愛系の高校4校や短大3校を含め、初めての男女共学となる。

調印式後の共同記者会見で尾花市長は、「東京の大学からも引き合いがあったが、地元の学校に来てほしかった」と述べ、同学院側から当初は進出を断られながらも、粘り強く交渉したことで地元の学校法人による進出が実現したことを明かした。

今回の協定締結により、伏虎義務教育学校への統合に伴い廃校となる3校の跡地全てに大学の設置が決まった。雄湊小跡地には平成30年4月に東京医療保健大学(仮称)和歌山看護学部、33年4月には伏虎中跡地に県立医科大学薬学部が開学し、和歌山信愛大学を含め約1300人の学生がまちなかで活動することにより、にぎわいの創出や消費拡大による経済効果、雇用創出などの活性化が期待されている。

協定書を手にする森田理事長㊨と尾花市長

協定書を手にする森田理事長㊨と尾花市長