がん患者と思い共有 リレー・フォー・ライフ
がんと向き合い、支援の輪を広げるイベント「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2018わかやま」(同実行委員会、日本対がん協会主催)が14日に和歌山県和歌山市の和歌山城砂の丸広場で開かれた。がん患者や支援者らがたすきをつなぎ、がんに負けない社会の実現を願った。
がんに対する知識の啓発と普及、制圧するため1985年にアメリカで始まった。日本では12年目、和歌山では5回目の開催で、24時間がん患者の家族や支援者が交代で歩き続ける試み。
正午から行われた開会式で、岩橋延直大会長は「人生100年時代になっても、がんになる人がいて家族が心配する中で克服している。この24時間が多くの人にとって良い機会になれば」と話し、土橋武彦副実行委員長は、ことし2月に亡くなった南出尚美実行委員長に思いを寄せ「会場のどこかで見守ってくれているのでは。皆さんと共に頑張りましょう」とあいさつした。
始まったリレーウオークでは、がん患者が横断幕を掲げて1周目のトラックを歩いた後、家族や支援者が続き、市立伏虎義務教育学校吹奏楽部の演奏に乗って歩き始めた。参加者は夜もがん患者の孤独と不安を共に分かち合おうと歩き続けた。
会場内ではメッセージを書いたバッグに明かりをともす600袋以上の「ルミナリエバッグ」が光り、ステージではバンド演奏や獅子舞の奉納が行われた。製薬企業や医療関係者による相談ブースや、グルメブースも人気を集めていた。
当初15日午後までの開催予定だったが、悪天候により14日夜9時40分ごろに中止となった。ブースでの売り上げや募金はがんの支援に充てられ、土橋副実行委員長は「募金は新薬の研究や無料相談などに使われており、患者だけでなくみんなのために使われていることを知ってもらいたい」と話していた。
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