教育旅行コーディネーター新設 誘致強化へ
将来の来県リピーターとなることが期待できる若年層市場を開拓するため、和歌山県は国内外からの教育旅行の誘致を積極的に進めている。一層の誘客策として、今月には「教育旅行コーディネーター」を新設。元県立高校校長の庄田卓爾さん(60)が就任した。
県観光交流課によると、教育旅行の来県実績は右肩上がりで増加しているという。2009年度は44校だったのが13年度に60校、16年度には78校に増加。昨年度は過去最多の88校となった。
教育旅行の内訳は国内が66校。関西圏を中心に、課外授業や研修などで訪れる学校が多い。海外ではマレーシアが12校、台湾と韓国がともに3校。中国、アメリカ、トルコ、オーストラリアが各1校で、計688人を受け入れた。また、訪日教育旅行の訪問地としての問い合わせも増加。学校交流の他、和歌山ならではの取り組みである農林漁家民泊は、田舎で昔ながらの生活を体験できることから人気がある。
これらの高まるニーズに対応するため、県は新たに「教育旅行コーディネーター」を設置。元有田中央高校校長で、昨年3月に定年退職した庄田さんが就任した。海外の学校と県内の学校との交流マッチングをはじめ、和歌山での体験を海外へ発信するプロモーション活動が主な業務。学校カリキュラムの把握や英語教諭として養った語学力など教育現場での経験を生かしながら、受け入れ日程の調整を円滑に行っていく。現在は「まだ状況を見て学んでいる段階」と話すが、さらなる教育旅行の誘致活動に期待は膨らむ。
庄田さんは「ニーズや目的を収集し、互いに有意義な体験ができるよう取り組んでいきたい」と意気込んでいる。
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