県発注の漁港工事で不適正支出 知事が謝罪
和歌山県有田振興局が発注した初島漁港(有田市)の工事で、未竣工でありながら工事費約5500万円を業者に支払っていたとして、仁坂吉伸知事は「申し訳ない。県の責任者として深く受け止め、今後こういうことがないようにしていきたい」と謝罪した。県は同振興局建設部副主査の男性を虚偽公文書作成などの疑いで刑事告発する準備を進めており、結果を踏まえ厳正に処分する。
22日に定例記者会見を開き、不適正な支出の判明と、調査で把握した内容を公表した。
説明によると、工事は2016年度の繰り越し工事2件で、消波ブロックの製造や据え付け、補修などをするもの。業者との発注確認の過程で工期が遅れたため、男性職員が検査時に関係書類を別の工事の書類に差し替えたり、過去の工事現場の写真を集め、検査に必要な書類を偽造したりした疑いがある。台風21号通過後の9月5日、担当職員と上司の2人で現場を確認した際、上司が工事が完成していないことに気付いたという。
支払われた請負代金は約5500万円で、業者からは約2割の出来高金額を除いた金額が返金される予定。
県議会決算特別委員会では、工事費を計上した昨年度の決算を全会一致で不認定としている。
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