トルコ大使が友好語る 東京医療保健大訪問
ハサン・ムラット・メルジャン駐日トルコ共和国特命全権大使が19日、和歌山県和歌山市東坂ノ上丁の東京医療保健大学和歌山看護学部を訪れ、トルコと日本の友好について講演し、学生たちと交流した。
メルジャン大使は1959年トルコ生まれ。同国の大国民議会議員に選出され、大国民議会外交委員長などを歴任し、ことし1月に駐日大使に就任。18日から県内を訪れ、同市の県立星林高校で講演し、㈱島精機製作所を視察した。
和歌山看護学部での講演でメルジャン大使は、1890年に串本町沖で遭難したトルコ軍艦エルトゥールル号の事故や、イラン・イラク戦争時の1985年にトルコ航空機がイランから日本人を救出した歴史を振り返り、日本とトルコは事件や事故をきっかけに深く結び付いてきたことを紹介。
トルコについては「渋滞があるし、話し声はうるさいかもしれない」とユーモアを交えつつ、「親しみやすくて親戚付き合いも深いところがあり、日本人と価値観が似ていると思う。文化に反対の部分があっても、国旗には月と星(トルコ)、太陽(日本)がある。二つの国が昼夜を照らす存在になれたら素晴らしい」と話した。
学生からはトルコの医療について質問が寄せられ、メルジャン大使は、人口増加で医師の需要が常に高いことや、治療と観光の両方で訪れる観光客も多いことなどを語った。
講演後、メルジャン大使は学生とハイタッチしながら退場。懇談の場も設けられ、学生にスマートフォンで家族やエルドアン大統領の写真を見せ、娘の結婚式の話を楽しそうに語っていた。
講演を聴いた坂口綾乃さん(19)は「こんなに親しくお話できるとは思わなかった。トルコが日本を好きだと思ってくれているのが伝わってうれしかった」と話していた。
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