持続可能な観光とは 和大でUNWTOシンポ
都市居住者が農村などで休暇を過ごす「ルーラルツーリズム」と、国連が定める持続可能な開発目標(SDGs)と観光の結び付きを考えるシンポジウムが2月26日、和歌山県和歌山市栄谷の和歌山大学で開かれた。国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所と独立行政法人国際協力機構、同大学が主催。約90人がSDGsの達成へ貢献が期待される地域の観光について考えた。
国際協力機構や日本政府観光局の関係者らによる講演とパネルディスカッション、ワークショップを実施。
UNWTO駐日事務所調査・国際課長のアルシンダ・トラウェンさんが国際観光の動向について講演した。昨年の国際観光客到着数は15億人で、前年から4%増加。中東地域は成長率が7・6%でトップ。観光客到着数は2020年に14億人と予想されていたが、2年早く超える結果となっている。
トラウェンさんは観光はSDGsのさまざまな目標達成に貢献できるとし、中でも働きがいと経済成長、消費と生産、海の保全などには直接的に協力できると語った。
UNWTOの観光の取り組みについても紹介。ルーラルツーリズムの他、「食」をテーマに、専門家や企業協力のもと観光客を誘致するガストロノミーツーリズム、地元の連携や地域開発につながるウオーキングツーリズムなどを取り上げた。
ルーラルツーリズムは農地や林が土地を占め、伝統的社会構造が残っている場所で、訪問者の体験が自然に基づいており、農業や文化に関連した観光活動ができるといった特徴を挙げ、ことしが開発の年だとした。
シンポジウムの後、27、28日は学生らを中心にしたワークショップが行われ、熊野古道や南部梅林を訪問。ルーラルツーリズムと持続可能な観光についてグループで協議した。
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