あら川の桃マカオへ 日本公庫の支援で
日本政策金融公庫(日本公庫)農林水産事業は、海外での販路開拓を後押しする「トライアル輸出支援事業」を活用し、桃の生産などを行う和歌山県紀の川市桃山町元の㈱八旗農園(高平昌英代表取締役)とマカオの貿易商社、和偉食品貿易有限公司をマッチング。同園の桃と「特製桃ジュース 桃とろり」のマカオ唯一の大型デパートへの輸出を支援した。日本公庫によると、同町の「あら川の桃」に対する評価は高く、今後の海外展開にも大きな期待がかかる。
同園は2014年2月に複数の桃生産農家により設立された法人。「あら川の桃」ブランドで有名な同町で桃生産・共同集荷・販売事業を行う他、加工事業にも取り組み、プレミア和歌山に認定されている同ジュースやピューレなどに一次加工した桃の業者向け販売も行う。
マカオの同社は輸入業者で日本側の代理店が関西にあり、マカオの飲食店、小売店に販路を持つ。
今回輸出された桃は「日川白鳳」という品種。早生の代表的な桃で、果汁が多く濃厚な甘みが特徴。また「桃とろり」は、同園が育て、朝採りした「あら川の桃」をその日のうちに丁寧に下処理。繊維質を残しながら裏ごししたストレートジュースで、とろみのある濃厚で味わい深い逸品。
同事業は2013年度以降、日本公庫は累計(2019年度末時点)で10国・地域に向けて292件、和歌山支店では5国・地域に13件の輸出を支援してきたが、マカオ向けの支援は同園が初めてとなった。
同園の高平代表取締役は「加工品を香港に輸出したことはあるが、生果の輸出は初めて。輸出手続きも思ったより複雑ではなかった。国内市場拡大が見込めない以上、今後も海外への販路拡大に取り組んでいきたい」と話している。
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