田辺の飲食店で4人接点 県内感染累計196人

和歌山県は16日までに、県内の10~50代の7人が新たに新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表した。新規感染者2人と発表済みの2人が共通して田辺市内の飲食店にいたことが分かり、県は感染予防対策のため店名を公表し、利用者は最寄りの保健所に連絡するよう呼び掛けている。県内の感染者は累計196人で、4人が退院し、入院中の患者は24人となった。

公表された飲食店は、田辺市湊のダイニングバー「バウンド・ビー・プラス・ループ」。13日発表の田辺保健所管内の20代女性の濃厚接触者として検査を受けた、いずれも同管内在住で同店を自営する50代男性と10代女性アルバイト店員の2人が15日、陽性と発表され、さらに、8日発表の同管内の20代男性消防職員も同店を利用していたことが分かった。

50代男性は無症状、10代女性の症状は安定している。

記者会見で県福祉保健部の野㞍孝子技監は「誰から感染が起きたかは(特定が)難しい。店を利用した人から感染が拡大することを防ぐために店名の公表を決めた」と説明。7月27日~8月12日に同店を利用した人に、保健所への連絡を呼び掛けた。

この他の新規感染者は、14日は橋本保健所管内の20代男性派遣社員の1人。13日発表の20代男性の濃厚接触者で、停車中の車の中でマスクをせずに1時間ほど会話していた。12日から咽頭痛や発熱などがあり、症状は安定している。

15日は同店の2人と、湯浅保健所管内の40代自営業男性、大阪市在住で橋本保健所管内に帰省中の30代女性の計4人。

40代男性は3~5日に沖縄県・宮古島に旅行し、訪れた周辺地域での感染拡大をニュースで知り、自主的に検査を受けた。症状はない。

30代女性は11日に帰省し、13日から発熱や呼吸困難などの症状が現れた。肺炎像があるが、症状は安定している。

16日は、田辺保健所管内の30代女性アルバイト、御坊保健所管内の50代男性会社員の2人。

30代女性は、12日から発熱や全身倦怠感などを発症した。2週間以内に県外へは行っておらず、同日まで飲食店で勤務していた。軽い肺炎があり、症状は安定している。

50代男性は、別居家族の送迎で8日と11日に大阪市内に車で出掛けた。14日からせきや全身倦怠感などがあり、症状は安定している。

野㞍技監は「自分が感染しているかもしれないと考えて、密室や密接した状態での会話などには注意してほしい」と話した。

密接した会話や飲食に注意を呼び掛ける野?技監㊧

密接した会話や飲食に注意を呼び掛ける野㞍技監㊧