116年、最後の卒業式 赤十字看護専門学校
和歌山県和歌山市小松原通の赤十字看護専門学校(平岡眞寛校長)で2日、最後の卒業式が行われ、昨年唯一の在校生として先輩を見送った第69回生の35人(男子5人、女子30人)が、赤十字救護員制服に身を包み、同校を締めくくる卒業生として巣立った。
1905年から看護師養成を続けてきた同校によると、今回の卒業生を含む3755人の看護師を輩出してきたが、入学希望者が減少している現状を踏まえ、専門学校としての存続を断念したという。2018年には、東京医療保健大学と連携し、看護学部を開設したことに伴い今月末、116年の歴史に幕を閉じることとなった。
最後の卒業生一人ひとりに卒業証書を授与した平岡校長は、コロナ禍の真っただ中、後輩のいない特別な3年間を過ごした卒業生らに対し、「たゆまない努力で大きく成長し、有終の美を立派に飾ってくれた」と感謝の気持ちを伝え、「これから社会に大きく羽ばたいてください」と激励した。
卒業生を代表し、中北渓夏(けいか)さん(21)が「最後の卒業生として、命と尊厳を守り、苦痛を取り除く看護を実践し、先輩方から受け継いできた赤十字の精神を紡いでいきます」と答辞を述べた。
卒業生の西本真菜さん(21)は「入学式から35人、誰も欠けることなく今日の日を全員で迎えられて良かったです。高校生の時から憧れてきたので、患者さんの立場に立って、さまざまな思いに気付ける看護師になりたいです」と話した。
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