那智勝浦町で活動 海南市社協ボランティアバス


 海南市や紀美野町、県外から集まった有志ら約30人が17、18の両日、台風12号で被災した那智勝浦町川関を訪れ、復興支援活動を行った。海南市社会福祉協議会が実施した「災害ボランティアバス」の一環。この日は3班に分かれ、被災した3カ所の民家で、泥かきや畳の運び出しなどの作業に当たった。

 17日は大雨で同地域に避難指示が発令されたため、参加者らは現地でボランティア活動の研修を受け、土のう袋の縛り方などを学習した。
 18日は晴天に恵まれ、民家で復旧作業を手伝った。作業は泥かきがメーンで、参加者らは床下にもぐり込んで、中腰のままスコップで泥をかき、バケツに入れてリレーで運ぶなど、汗だくになりながら取り組んだ。

 自宅が床上浸水の被害を受けた倉本尚江さん(59)は「家族だけでの復旧は不可能。長期戦になるので、ボランティアの方々には本当に感謝です。皆さんの姿を見て、自分たちも頑張らないといけないと気力をもらえる」と話していた。

 参加した和歌山市市小路の会社員、古川祐介さん(31)は平成21年8月に豪雨で被害を受けた兵庫県佐用町にも災害ボランティアで訪れたことがあり、「佐用町での経験を生かしたいと思った。テレビで見た被害より実際はひどく、復興支援に来て良かった」。紀美野町小畑の海南市職員、玉井一夫さん(50)は「生活ができない状況で人海戦術しかない。かなり時間がかかりそうだ。少しでも力になることができれば」とそれぞれ話していた。

 同地区は那智川周辺にあり、現在も水道の復旧は進んでおらず、各民家には床下に十数㌢の泥がたまっている。周辺には崩壊した道路があり、がれきの山ができ、まだまだ支援者の人手が足りない現状にある。

 同町災害ボランティアセンターでは、16日から県外からのボランティアも受け付けを開始した。那智川周辺の復旧を進めるため、川関地区を含む3地域でサテライト(分室)の設置を進めており、川関では18日に本格的な活動を開始した。

 また、同センターでは現在もボランティアの参加を受け付けている。問い合わせは同センター(℡090・6551・8458、または℡090・6551・8462)へ。

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