2棟目の小規模グループケア棟完成 こばと学園


新棟 「あすなろの家」

 和歌山市直川の児童養護施設 「こばと学園」 で、 子どもが小人数で家庭的な生活を送るための小規模グループケア棟 「あすなろの家」(定員8人)が完成し、18日、竣工式が行われた。 小規模グループケア棟は平成23年4月に開設した女子棟 「クローバーの家」(定員6人)に続いて2棟目。

 女子棟では現在、 小学生3人、 中学生3人が職員と共に、 家事の手伝いをしたり、 そろって食事をしたりして生活している。

 新棟は男子棟として使われ、 延べ床面積約194平方㍍の木造2階建て。 6LDKのバリアフリー設計。 吹き抜けを設けることで光を多く取り入れ、 開放感のある造りになっている。 名前は子どもたちからアイデアを募集したもので、 「永遠の友情」 などの思いが込められている。 今月から小学生5人、 高校生1人が新棟での生活をスタートさせる。

 式には、 行政関係者や地域住民ら約40人が出席。 園部正信理事長は 「社会的養護を必要とする子どもは多い。 今後も施設の小規模ケア化を進め、 子どもの健全育成に努力していきたい」 とあいさつした。

 国は、 児童養護施設などの小規模グループによるケアを行う体制づくりを推進しており、 昨秋には、 里親委託やファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)を進める方針を出した。

 一方、 施設にとって小規模ケア化は人材の確保や費用の捻出といった課題も多い。

 同施設では、 家庭の事情などで親と暮らせない2~17歳の51人(1日現在)が暮らしている。 さまざまな心境にある児童たちの心のケアには、 集団より少人数の家庭的な環境での生活が求められるという。

 新棟の設計は髙城浩之建築研究所(同市塩屋、 髙城浩之所長)、 施行は㈱ケイズ(本社=有田川町、 北畑貴行代表取締役)。   

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