玉津島神社の神輿など 和歌山県指定文化財に

 
 

 県教委は5月30日、玉津島神社(和歌山市和歌浦中)が所有する神輿(しんよ)など、4件を県指定文化財に、道成寺(日高川町)の木造仏手1件を追加指定とした。全てが美術工芸品。今回の指定により、県指定文化財は全571件になった。

 本紙エリアで指定を受けた玉津島神社の神輿は、平成19年に市民が中心となって広く寄付金を募り、文化財としての価値を損なわないようにと京都の専門業者に依頼して修復したもの。

 神輿は屋蓋(やがい)・身舎(もや)・基壇(きだん)で構成。身舎背面の内壁に刻まれた銘文から、明和4年(1767)に京都の神輿師・桒嶋作右衛門によって作られたと分かる。

 また『紀伊国名所図会』にも、近衛(このえ)家の寄付であったことが記され、屋蓋には金蒔絵で近衛家の家紋「近衛牡丹」があしらわれている。

 同神社は和歌の神としてあがめられ、江戸期に大々的に復興。朝廷との結び付きも深めた。天皇や公家が同神社に和歌を奉納する慣例が興り、近衛家もそれに関わっていたとされ、文化遺産課では「和歌の神への信仰を背景に、都の天皇・公家との交渉が継続した近世玉津島の在り方を伝える重要な遺品」としている。

 指定を受け、同神社の遠北明彦(あちきた・はるひこ)宮司(87)は「立派な指定をいただき、修復に力を注いでくださった方々には感謝の思いです。これからも大切に守り、後世へ伝えていければ」と話している。

 その他、今回指定、追加指定された文化財は次の通り。
 指定=【彫刻】木造五劫思惟阿弥陀如来坐像(日高川町道成寺)【考古資料】岩内1号墳・岩内3号墳出土遺物(御坊市歴史民俗資料館)▽熊野阿須賀社境内出土品(新宮市阿須賀神社)

 追加指定=【彫刻】木造釈迦如来坐像及び両脇侍立像附木造仏手(日高川町道成寺)

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