多様性が強さ生む 志賀日産副会長が講演

一般社団法人和歌山青年会議所(JC、水野孝彦理事長)は19日、7月度例会を和歌山市の県民文化会館で開き、県出身で日産自動車㈱副会長の志賀俊之氏(63)が「挑戦する勇気が和歌山を元気にする。やっちゃえ和歌山!」をテーマに講演。会員や一般参加者ら約90人が、経営哲学を熱心に学んだ。

志賀副会長は県立那賀高校出身で、大阪府立大学を卒業後、昭和51年に同社に入社。インドネシア駐在やジャカルタ事務所長を務め海外勤務の経験も豊富に持つ。カルロス・ゴーン氏の下、最高執行責任者(COO)などを歴任し、平成27年から現職。

講演では、日本企業の特徴として、強みに「モノづくり」「ヒトづくり」「おもてなし」を挙げ、弱点は「ダイバーシティ(多様性)」「イノベーションを生むリーダーシップ」「コトづくり(ブランディング)」だと指摘。

平成11年、同社がフランスの自動車会社ルノーと資本・業務提携し、ゴーン氏をCOOに迎えた経験から、人種や国籍、性別などの多様性を増やすことにより、異なった意見や考えを受け入れられる環境の中で個人の能力が発揮され、より大きな価値の創造と変革を生むことができるとし、多様性のある組織がビジネス競争に強いことを強調した。

今後の世界市場については、IoT(インターネットであらゆるものが結び付くこと)、ビッグデータ、人工知能を駆使した産業が中心となる第四次産業革命がイノベーションを起こすと展望。大きく変化する世界情勢の中で重要性を増すものとして「大変な時代だからこそ、人の精神」と語り、「人の心を動かすのは信頼だ。人の話を真剣に聴き、伝えようとする姿勢が人の共感を呼ぶ」と力を込めて話した。

水野理事長は「JCは多業種のリーダーが集まっている、まさに多様性に富んだ団体。限界を突破してさらに進歩するため、志賀副会長のご経験を参考にして取り組みたい。私たちは若いので、失敗を恐れずチャレンジしていきたい」と話していた。

会場との質疑に応じる志賀副会長

会場との質疑に応じる志賀副会長

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