智弁堂々の準優勝 大阪桐蔭への雪辱誓う

 第90回記念選抜高校野球大会は12日目の4日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で決勝戦が行われ、智弁和歌山は大阪桐蔭(大阪)と対戦。終盤の攻撃をしのげず2―5で逆転負けし、24年ぶり2度目の優勝を逃した。

 ◇決勝

智弁和歌山 0 0 0 2 0 0 0 0 0 2
大阪桐蔭 0 0 0 2 0 0 1 2 × 5

 〔智〕池田、平田、根来―東妻〔大〕根尾―小泉▽2塁打=藤原(大) 

 試合は智弁・池田、大阪桐蔭・根尾の両右腕の先発で始まった。

 智弁は4回表に冨田、黒川の安打などで2死2、3塁とし、東妻が左前に2点適時打を放ち先制に成功。その後は好投する根尾を攻略できず、4試合で51安打を放った打線は影を潜めた。3点を追う最終回は先頭の黒川が右前打で出塁したが、後続が倒れ力及ばず。わずか6安打に封じ込まれ、逆転はならなかった。

 先発の池田はフォークやスライダーなどの変化球中心の組み立て。準決勝で1死も奪えず降板した2年生は強打者が並ぶ大阪桐蔭打線を相手に好投した。4回に味方の失策と内野ゴロの間に2点を失い、7回の先頭打者に四球を与えたところで降板。後を受けたエースの平田は前日の準決勝で180球を投げた影響からか本来の球威がなく、7回に勝ち越しを許すと、8回には相手の中軸に2本の適時打を浴び、リードを広げられた。

 選手たちは根尾投手の直球を捉え切れなかった点を敗因に挙げ「すごく速かった」「手元で伸びてきた」などと振り返った。
 
 髙嶋仁監督は「力負け。悔しいが、力の差は投打ともに感じた」と実力差を認め、「夏に優勝するには同じレベルの投手が複数枚必要」と投手陣の強化を課題に挙げた。

 大阪桐蔭には、昨年の公式戦で3連敗。4度目の挑戦も宿敵に敗れ、「『くそー』っと思ってる。鍛え直し、夏は優勝旗を取る」。照準を夏に切り替え、雪辱を誓った。

 先発した2年の池田陽佑投手は「全球種低めに決まり、大阪桐蔭を抑えられるという自信になった。夏には9回を抑えて勝てるピッチャーになりたい」と話した。

 先制打を放った東妻純平捕手(2年)は「狙っていなかったスライダーに反応して打つことができた。手応えはなかったが、良いところに飛んでくれた」と話し、8回に浴びた決勝の適時打については「(チェンジアップを要求した)配球自体は間違っていなかったと思うが、低めに投げさせようという意識が足りなかった。大阪桐蔭の打線をこれだけ抑えられたのは自信になる。もっと練習して戻ってきたい」と前を向いた。

 優勝まであと一歩の活躍に対し仁坂吉伸知事は「準優勝本当におめでとうございます。決して諦めることなく、一生懸命ボールに食らい付く姿は、県民に多くの感動と勇気を与え、『野球王国・和歌山』を改めてアピールすることができたことに心から感謝しています」とコメントした。

文元主将を先頭に行進する選手たち

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