2010年04月07日

04.文化・くらし

生誕200年のショパンとシューマンで魅了 ピアニスト宮下直子さん

ピアニスト宮下直子さん

「音楽を通して素晴らしい一期一会の旅を
皆様と共に続けることができれば幸せです」

和歌山市在住のピアニスト宮下直子さんのリサイタル「ショパン・シューマン生誕200年を記念して」が3日、 和歌山市西高松のきのくに志学館メディア・アート・ホールで開かれた。 心臓の鼓動やためいきまでもが聞こえてくるかようなショパンの「24の前奏曲 作品28」 と、 深い響きと豊かな色彩をもつシューマンの 「交響的練習曲 作品13」 に174人が酔いしれた。

宮下さんは毎年、 「サタデーアフタヌーンコンサート」 を独自企画。 3年前のリサイタルではシューベルトの 「幻想ソナタ」 などを。 10年以上前から共演しているバリトンの吉田旅人さんとはシューベルトの数々の歌曲、 ブラームス、 マーラーの歌曲を。 またヴィオラ奏者廣狩亮さんとは現代曲まで幅広く演奏。 繊細な1音1音の美しさと精神性、 力強い精巧な響きで、 聴く人を心地よい世界に引き込み、 心を揺さぶってきた。

今回の2人の曲は、 宮下さんにとって 「長年心の中に大切にしまっていた大好きな作品」。 「交響的練習曲」 は英国留学帰国後の和歌山初リサイタルで、 「24の前奏曲」 はその後の大阪の初リサイタルで演奏。 ピアニストとして活動を始めたころに夢中になった作品という。

先月の県民文化会館ピアノ開きコンサートでも演奏し、 2000人の聴衆を魅了した 「交響的練習曲」 だが、 今回はシューマンが削った5つの変奏曲を最後に補遺として演奏し、 印象的な余韻を残した。

来年はラフマニノフの協奏曲第2番を弾くという宮下さん。 「いつまでもデビュー当時の気持ちを忘れずに、 これからも音楽の道を歩んでいきたい」 「ピアノは、 ショパンが愛用した楽器プレイエルのように軽やかにも、 チェンバロのような響きにも、 交響的にも演奏できる表現の幅広さが魅力。 そこが好きなのでしょうね」 と笑顔で。

そして、 今回アンコールで披露したバッハを、 「心を癒やし、 ほぐし、 浄化してくれる」 といい、 「ゴルトベルク変奏曲全曲演奏もひとつの大きな夢です」 と話している。





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