2010年11月09日

04.文化・くらし

謄写版から生まれた空想世界

自作 「六地蔵」 ㊧と清水さんの作品を持つ道屋さん

自作 「六地蔵」 左と清水さんの作品を持つ道屋さん

版画歴30年の道屋悦司さん(63)=和歌山市鷹匠町=が18日から、 和歌山市のギャラリー白石で二人展を開く。 一緒に開く相手は敬愛する版画家の故・清水武次郎さん(1915~93)。 道屋さんは 「アマとプロ(清水さん)の二人展です。 清水先生の作品はどこでも通用するいい作品なのに、 埋もれているんです。 ぜひ知ってもらいたい」と熱く語っている。

「ガリ版 (謄写版) って言っても若い人は知りませんよね」 と道屋さん。 蝋(ろう)びきした紙に鉄筆で文字などをガリガリと書き、 開いた穴からインクが通過して印刷される、 広く言えば 「孔版(こうはん)」 だ。 40年くらい前まで学校などで使われた。 この謄写版で素晴らしい作品、 独自の抽象世界を生み出していたのが清水さんだった。

道屋さんは40歳ごろ、 白石画廊の故・白石寛さんの紹介で清水さんを知ったという。 「清水先生に 『模倣していいよ』 と言われましたが、 できないんですよ。 技法もですが、 先生の世界は空想の世界。 誰にもまねできない」 と。 そして 「お人柄もおうようでいらした」 と懐かしむ。

今回展示するのは、 「おもしゃいと思うものを表現している」 という道屋さんの純和風の木版画や 『ノルウェイの森』 に想を得た抽象の孔版画など30点と、 自画像を含む清水さんの孔版画20点。 ほか清水さんの作品や文が載った美術雑誌 『版画館』 など。

道屋さんは、 「若い方々が清水先生を知り、 その作品の素晴らしさに気付いてくれたらうれしいしありがたい」 と話している。

二人展は和歌山市湊通丁南のギャラリー白石で18日から22日。 午前10時から午後6時 (最終日は4時まで)。 入場無料。 問い合わせは同ギャラリー (TEL073・425・4634)。





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